宮永岳彦は、若い時から商業美術の挿絵・表紙画・ポスター・童画等と油彩画を並行して制作し、とりわけ油彩画では独自の宮永スタイルを確立し成功を収めました。今展は、クロッキー(速描き)やデッサンから古典絵画まで美を追求した油彩画の軌跡をたどります。

 クロッキーやデッサンは本画を描くための基礎訓練ですが、宮永の習作はすでに作品として完成されています。一本の線にこだわり続けた宮永は、たくさんの習作を残しました。これらを見ると当時の息遣いが聞こえてくるようです。また油彩画は、二紀展に毎年発表し鑑賞者を引きつけ好評を得ました。

 作品の鑑賞のしかたは人それぞれです。日常を離れて何かを感じ、ひとときでも心を癒していただければ幸いです。

 「美しいものをより美しく素直にわかりやすく表現すること」を信条に生涯をかけた表現力豊かな作品。あくなき探求心で自分の理想とする女性像を追求し続けた宮永岳彦の世界観をお楽しみください。

宮永辰夫

 今回、初めての試みとして、宮永岳彦画伯の弟子であり、宮永家を継いだ宮永辰夫氏に展示を監修していただきました。辰夫氏は、1973年に宮永岳彦画伯の内弟子となり、画伯が亡くなるまでの15年間を東京都新宿区にある宮永のアトリエで過ごしました。現在、二紀会委員及び日本美術家連盟会員であり、画家(雅号・滝辰夫)として活躍されています。

会期

常設展示室 令和5年10月14日(土曜日)から令和6年5月12日(日曜日)まで

注意:月曜日(祝日の場合は翌日)は休館。

展示作品一例

白い服と大きな帽子を身につけた女性が、植物が置かれたテラスで両手を腰に当てて白い椅子に座ってポーズをとっており、その優雅な姿と背景が抽象的なタッチで描かれている絵画作品の写真

初夏の装い(1951年)

ドレスと帽子を身につけた3人の女性が、それぞれ白いパラソル、真珠のネックレス、そして大きなバッグを持って立っている姿を、筆跡の荒いタッチで表現した油絵作品の写真

花売り娘(1953年)

室内で衣服を身にまとっていない裸の状態で椅子に座っている女性を描いた抽象的な油絵を、緑、茶色、黒を基調とした色使いと荒々しいタッチが特徴的な作品の写真

裸婦(1955年)

オレンジ色の背景で激しいタッチで描かれた荒々しい白波と、その向こうに2艘の黄色い船が描かれている、嵐の海をテーマにした油絵作品の写真

茅ヶ崎風景(1957年)

アーチ型の枠の前の黒い椅子に座っている、赤いリボンがついた白いフリルとストライプ柄のスカートの民族衣装の様な服を身にまとった女性が、光が差し込む先を静かに見つめ佇んでいる様子を描いた作品の写真

YUGOSLAVIA 宴(1972年)

赤いスカートと白いフリルを重ねた豪華なドレスをまとった女性が、椅子に座って遠くを見つめる様子を描いた、クラシックでエレガントな肖像画作品の写真

ROKUMEIKAN 鳳(1975年)

周囲に木々が生え、花が咲いている森の様な場所に、矢を持った羽の生えた天使が宙を飛び、白や金のドレスを身にまとった女性たちが輪になって優雅に踊っている様子を描いた作品の写真

翔〈ボッティチェルリ「プリマヴェラ」想〉(1982年)

フリルがついた袖のブラウスと赤い模様のコルセットを身につけた、エメラルドグリーンのイヤリングをしたふわふわとした髪の女性が椅子に座り、右手を顎に添えた横顔を見せながら遠くを見つめている様子を描いた絵画作品の写真

讃(絶筆)(1987年)

ウエーブした髪をアップにして袖の無いフリルのついたスカートを着た女性が、腕を組んで横顔を見せ、遠くをじっと見つめている様子を、鉛筆のような画材で荒いタッチで描かれたデッサンのイラスト

人物クロッキー(制作年不明)

民族衣装を身につけた女性が、複雑な模様の布をおでこに結び、遠くを見つめている横顔を描いた、力強い筆致が特徴的なデッサンの写真

着彩スケッチ(制作年不明)

この記事に関するお問い合わせ先

文化スポーツ部 文化振興課 文化振興担当
電話番号:0463-86-6309
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