なぜ必要なのか?

「地震による火災」と聞くと、多くの人がキッチンのガスコンロやストーブからの出火をイメージするかもしれません。

過去の大規模地震で発生した火災のうち、約6割以上(過半数以上)が「電気」が原因で起きています。

ガスの元栓を閉めても、避難時にストーブのスイッチを切っても、電気による火災を完全に防ぐことはできません。なぜなら電気火災は「時間差」で襲ってくるからです。

あなたの家を襲う「2つの電気火災」

地震直後の恐怖

激しい揺れによって、家の中の状況は一瞬で変わります。

  1. 倒れた家具や本棚が、電気ストーブのスイッチを押し込んでしまい、勝手に電源が入る。
  2. 倒壊した家具の重みで、延長コードや家電の配線が押し潰され、目に見えない部分で断線してショートを起こす。
  3. クローゼットから落ちた衣類や倒れてきたカーテンが、熱を持った家電製品に覆いかぶさる。

避難に必死になっている瞬間や、外出中で家を留守にしている間、これらの場所から静かに火の手が上がります。

時間差の恐怖(通電火災)

本当に恐ろしいのは、地震の揺れが収まり、一度停電したあとのことです。地震発生から数時間から数日後、電気が復旧した際に、誰もいない家で一斉に出火する「通電火災」という二次災害が起きます。

避難所へ避難して家が「無人」になっている状態や、片付けに追われて家電の状況まで目が届いていない状態で電気が復旧すると、

  1. スイッチが入った状態の電気ストーブなどが突然作動し、周囲のごみや家具に引火する。
  2. 揺れで傷ついた壁の中の配線や、壊れた家電製品に一気に電流が流れ込み、ショートして火の手が上がる。

「命からがら避難できて安心していたのに、数日後に家に戻ったら火事で全焼していた」過去の震災では、このような悲劇が数多く繰り返されてきました。

「ブレーカーを落として逃げる」本当にできますか?

いざ大地震が起きたとき、ブレーカーを落としてから避難できるでしょうか。

  1. 激しい揺れの中、立っていることもままならない状況、暗闇や散乱した家具などをかき分けて、玄関や脱衣所にある高い位置のブレーカーボックスまでたどり着けますか?
  2. パニックの状況で、家族の安全確認や、一刻を争う避難の最中に、「ブレーカーを落とす」ことを冷静に思い出せますか?
  3. もし留守であったら、仕事や買い物で家族全員が外出している時に、大地震が起きたら、誰がブレーカーを落とすのでしょうか?

人間がパニック状態でできないことを、代わりに一瞬で行うのが、「感震ブレーカー」です。

感震ブレーカーは、あなたの家と「地域の未来」を守る盾

感震ブレーカーは、一定以上の大きな揺れを感知すると、自動で電気を停止してくれる安全装置です。

大規模地震の直後は、消防車がすぐに駆けつけることができません。(道路の寸断、同時多発火災など。)あなたの家から火を出さないことは、大切な我が家を守るだけでなく、隣近所や地域全体を大火災の延焼から守ることにつながります。

我が家に合わせた感震ブレーカーの選び方

分電盤タイプ(内蔵型、後付型)

分電盤内にあらかじめセンサーを内蔵、又は専用のセンサーを後から組み込むタイプです。地震の強い揺れでセンサーが感知すると、分電盤内の主幹ブレーカーに電気停止の信号を送り、自動でブレーカーのスイッチレバーを落とします。

家全体を確実に守ることができ、新築時やリフォーム工事時におすすめです。

※ 設置には、電気工事士による工事が必要です。

※ 価格:内蔵型 約5万円から8万円(標準的なもの。)

後付型 約2万円

感震ブレーカー分電盤センサー内蔵型、後付型のイラスト図

簡易タイプ(電気工事不要)

【バネ式】

地震による強い揺れを感知すると、装置に内蔵されたバネの力でブレーカーのスイッチレバーを物理的に落とします。

感震ブレーカーバネ式説明イラスト図

 

【おもり式】

地震による強い揺れを感知すると、装置に載っている球体状の重りが、転がり落ちます。その落ちる重みを利用して、紐などで繋がったブレーカーのスイッチレバーを物理的に引き落とします。

感震ブレーカーおもり式説明イラスト図

 

【疑似漏電式(アース付コンセント接続)】

アース付コンセントに本体を接続して使用します。地震による強い揺れを感知すると、アース線を通じて「安全なテスト用の漏電電流」を意図的に流します。その作用で分電盤内にある「漏電ブレーカー」が「漏電が発生した!」と検知して、自動的に家全体の電気を遮断します。

※ 電気工事は不要です。

※ 価格:約3,000円から4,000円程度

感震ブレーカー疑似漏電型説明イラスト図

コンセントタイプ

特定のコンセントに差し込んで使用するタイプです。

設置する機器本体にセンサーが内蔵されており、地震による強い揺れを感知すると、そのコンセントに接続されている電気機器への電気だけを遮断します。ブレーカーは遮断されないため、夜間でも照明は消えず、安全に避難経路を確保できるメリットがあります。

※ 電気工事が必要なものと、不要なものがあります。

※ 価格:約5,000円から2万円

感震ブレーカーコンセント型説明イラスト図

設置する時の注意点

夜間の避難に備えて「足元灯」をセットで!

家全体の電気を遮断するタイプ(分電盤タイプや簡易タイプ)の場合、夜間に地震が発生すると、家の中が真っ暗になり、避難の妨げになることがあります。停電時に自動で点灯する「足元灯」を廊下や寝室に用意しておくと安心です。

医療機器を使われているご家庭へ

自宅で人工呼吸器などの「生命維持管理装置」を使用されている場合は、家全体の電気が一斉に遮断されると、危険な場合があります。使用されている機器にバッテリーがついているかの確認や、医療機器が繋がっている回路だけは遮断しないような特別な対策が必要です。電気工事業者や主治医へご相談ください。

感震ブレーカーの効果と種類

  1. 総務省消防庁参考 内容はこちらで確認
  2. 一般社団法人日本消防設備安全センター(推奨品)内容はこちらで確認

※感震ブレーカーの価格は、参考価格です。購入店、メーカー等に確認をしてください。

※推奨品は、追加される場合があります。最新の情報は、一般社団法人日本消防設備安全センターのホームページをご確認ください。