2月26日(木曜日)に開会した令和8年3月第1回定例月会議の冒頭に、令和8年度(2026年度)施政方針を述べさせていただきました。

施政方針を述べる秦野市長

秦野市長 高橋 昌和

  • はじめに
  • “住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト(5つの誓い2026+1)
    • 健やかで安全・安心な暮らしづくりプロジェクト
    • 女性とこどもが住みやすいまちづくりプロジェクト
    • 表丹沢魅力づくりプロジェクト
    • 小田急線4駅周辺のにぎわい創造プロジェクト
    • 新東名・246号バイパス最大活用プロジェクト
    • 新たな「はだの」創造プロジェクト
  • 5つの基本目標
    • 誰もが健康で共に支えあうまちづくり
    • 生涯にわたり豊かな心と健やかな体を育むまちづくり
    • 名水の里の豊かな自然と共生し安全・安心に暮らせるまちづくり
    • 住みたくなる訪れたくなるにぎわい・活力あるまちづくり
    • 市民と行政が共に力を合わせて創るまちづくり

はじめに

私は、先の市長選挙におきまして、多くの市民の皆様からのご支持を賜り、引き続き、3期目の市政の舵取りを担わせていただくこととなりました。改めて、市長として果たすべき役割と、その重責に身の引き締まる思いであると同時に、秦野の未来を確かなものにするという決意を新たに、私の市政に臨む所信の一端と主な施策について述べさせていただきます。

振り返りますと、市長に就任した1期目の後半は、100年に1度の危機とも言われた新型感染症の対応に奔走する日々でございました。そのような中において、市民の命と暮らしを守り抜くという決意の下、「健康と医療」、「日々の暮らし」、「地域経済」を守る3本柱で、市の総力を挙げて、この難局に立ち向かいました。また、中学校給食の完全実施や、表丹沢魅力づくり構想の策定、はだの丹沢クライミングパークやヤビツ峠レストハウスの整備など、重点施策として掲げた「5つの誓い」の実現に向けた取組みを着実に進めてきました。

2期目では、引き続き、最優先課題であった新型感染症をオール秦野で乗り越えるとともに、念願であった産科有床診療所の誘致の実現、西大竹地区と戸川地区の市街化区域への編入と土地区画整理事業の推進、秦野市初の電子地域通貨「OMOTANコイン」の導入など、「秦野みらいづくりプロジェクト(5つの誓い2022)」に掲げた施策に取り組み、一つひとつ形にしてまいりました。

そして、今任期においても、これまで進めてきた政策の更なる推進と、秦野市発展への期待と信託に応え、私が常に掲げてきた「有言実行」、「率先垂範」、「積極果敢」という3つのリーダー像の下、初心を忘れず、粉骨砕身で市政運営にまい進してまいります。

 

さて、記録的な少雨の影響により各地で火災が頻発する中、本市においても、先月11日、表丹沢の大倉尾根で林野火災が発生し、山林約1.1ヘクタールが焼失しました。

本市では、火災発生後、直ちに災害対策本部を設置し、市民や登山者の安全確保のため、入山を規制するとともに、険しい自然環境の中で、消防職員及び多くの消防団員の方々による懸命の消火活動を行いました。そして、昨年の1月に運用を開始した「秦野市・伊勢原市共同消防指令センター」を核として、多くの消防機関や自衛隊と連携し、人的被害を出すことなく、2日後には無事に鎮圧することができました。ご協力いただきました全ての関係者の皆様に深く感謝を申し上げるとともに、改めて、この共同消防指令センターが、災害対応に優れた効果を発揮することを実感しました。

引き続き、広域連携や地域コミュニティの強化、市民の防災意識の向上を図り、自助・共助・公助の相乗効果を発揮させることで、あらゆる災害から、市民一人ひとりの命と安全・安心な暮らしを守ってまいります。

また、社会経済情勢に目を向けますと、長く続いている物価高騰が市民の暮らしや地域経済を圧迫しています。国の総合経済対策と連動した物価高騰対策として、まずは今月から、高校生世代までのこどもがいる子育て世帯に子育て応援手当の支給を開始しています。そして来月から6か月間、全ての市民及び事業者の水道基本料金を無料にし、さらには口径に応じて超過料金を最大50パーセント減額いたします。今後も引き続き、国や県の動向を注視しながら、市民の暮らしを守り、地域経済活動を支援する効果的な施策を適時適切に行ってまいります。


今、秦野市は、まちづくりの大きなターニングポイントを迎えています。

本市の玄関口である秦野駅北口の周辺では、いよいよ令和8年度に、県道705号の対面通行が実現をします。この時を、長年の懸案であった本市の中心地に大きな変化を生み出す絶好のチャンスと捉え、出会いや学びを育み、また、国の機関として、本市への誘致を切望してきたハローワークも入居する、多世代交流施設の整備や、宿泊施設を含めた商業・業務系施設の誘致を進め、新たなにぎわいを創出します。まちなかに人が集う拠点を整備することで、そこから様々な活動や交流が生まれ、それが周辺地域、そして秦野市全域に波及していくように取組みを進めてまいります。

あわせて、地域経済を好循環させるOMOTANコインの活用促進とともに、各駅のにぎわいづくりを後押しする新たな支援を行い、それぞれの特色を生かした「小田急線4駅周辺のにぎわい創造」を進めてまいります。

新東名高速道路の全線開通と秦野丹沢サービスエリアの開設が、令和9年度から1年以上延期となりましたが、近い将来に、本市を大きく飛躍・発展させるチャンスであることに変わりはありません。秦野丹沢スマートインターチェンジ周辺で行っている戸川土地区画整理事業、矢坪沢の水路整備、都市計画道路菩提横野線の整備を三位一体で着実に進め、事業用地の価値を高めて、優良企業の誘致を実現していくことで、新たな雇用を創出します。

また、「面白い・楽しい・表丹沢(OMOTAN)」のブランド化を図りながら、エリアに点在する秦野ならではの地域資源や拠点をつなぎ、交流人口・関係人口の拡大や回遊性を高める「表丹沢の魅力づくり」を進めます。例えば、1日目は、登山やスポーツクライミング、森林セラピーや観光農園などの表丹沢ならではの体験コンテンツ、夜はまちなかでの飲食を楽しんでいただき、秦野に宿泊する。2日目は、まち歩き、弘法山や震生湖、頭高山などでハイキングをして、温泉でゆっくりとくつろぎ、お土産には、はだのブランドや新鮮な農畜産物を買って帰る、そのような秦野の魅力を満喫できる滞在型の「OMOTANスタイル」を築いてまいります。

全国的に急激な人口減少と少子・超高齢社会が到来する中で、本市は令和3年以降、5年連続で人口の社会増を達成いたしました。重点的に進めてきた「女性とこどもが住みやすいまちづくり」では、出産環境の充実に加え、4年連続での保育所等の待機児童ゼロの達成、対象学年を小学6年生まで拡大した公立児童ホーム、18歳まで拡大したこども医療費助成など、結婚・妊娠・出産・子育て期からこどもたちが社会にはばたくまで、切れ目なく支援する環境が整いつつあります。この流れをさらに加速し、妊産婦健康診査の費用助成や産後ケア事業の拡大、学校体育館への空調設備の導入など、安心して子育てできる環境をソフト・ハードの両面から充実させるとともに、引き続き、若者世代や子育て世代の移住・定住を促進する支援策に取り組んでまいります。

 

「走るたび好きになる街 はだの」

今、本市では、表丹沢の林道や登山道を活用したトレイルラン、蓑毛からヤビツ峠へと続く峠走、水無川の河川敷や市街地の周回コースなど、日常のすぐそばで四季折々の自然を感じられる、恵まれたランニング環境に惹かれ、移住や都心との二拠点生活を選択する方が増えています。そうした方々だからこそ実感できる、表丹沢の山々と街とのほどよい距離感や居心地の良さといった秦野の新たな魅力や可能性が掘り起こされ、また、地域住民との積極的な交流を通じて、新たなコミュニティが育まれています。こうした秦野ならではの豊かなライフスタイルを発信していただくことによって、その魅力はさらに広がりを見せています。

このように、今後も市内外の様々な方に選ばれるまちであり続けられるよう、都心からのアクセス性が良く、自然豊かな秦野の住みやすさにさらに磨きをかけ、「行ってみたい」「住んでみたい」「いつまでも住み続けたい」と誰もが思う、「全国屈指の森林観光都市」を目指してまいります。

 

また、今年は、総合計画はだの2030プラン後期基本計画がスタートする年となります。これまで、幅広い世代や分野の方々の思いを丁寧に聴きながら策定作業を進め、計画の骨格となる「“住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト」を、「5つの誓い2026+1(プラスワン)」として新たな目標に位置付けました。

前期基本計画で重点的に取り組んできたプロジェクトをさらに深化、充実させるとともに、市民のウェルビーイング(幸福度・満足度)向上に向け、「ふるさと秦野」を次のステージへ展開させるため、市民や事業者と一体となって進めるカーボンニュートラルや、誰一人取り残されないデジタル社会の実現、全国に誇る資源である秦野名水の利活用など、持続可能で快適な暮らしを実現する、新たな「はだの」の創造に向けた取組みを進めてまいります。

 

「人生の本舞台は常に将来にあり」

これは私が初めて市長に就任した、8年前の施政方針で述べさせていただいた、憲政の神様と呼ばれた尾崎行雄の言葉で、未来には無限の可能性があることを示す、私の座右の銘でもあります。

この言葉を胸に刻み、「ふるさと秦野」の限りない可能性を信じて、未来へ向けて蒔いてきた様々な種は、しっかり根を張り、芽を出し、着実に成長して、それぞれが実を結びはじめました。今後も、先人たちから引き継がれた、素晴らしいまち・秦野を確実にこどもや孫の代へとつないでいくため、新たな挑戦の種を蒔き続けてまいります。

 

これからも未来永劫に、市民一人ひとりが秦野で幸せに暮らしていけるように、都市像である「水とみどりに育まれ 誰もが輝く 暮らしよい都市(まち)」の実現を目指し、全身全霊で取り組んでまいりますので、改めて、議員の皆様、市民や事業者の皆様のご理解・ご協力をお願い申し上げます。

 

令和8年度当初予算は、まちづくりの大きな転換期を迎える中、確かな未来への道筋をつけていくため、「ふるさと秦野をより確かな未来につなぐ予算」として編成しました。

“住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト(5つの誓い2026+1)

それでは、令和8年度の主な取組みについて、まずは、「“住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト(5つの誓い2026+1)」に沿って、説明します。

健やかで安全・安心な暮らしづくりプロジェクト

はじめに、「健やかで安全・安心な暮らしづくりプロジェクト」の施策です。

生き生きと健康で暮らせる環境づくりの推進では、地域医療体制の充実・強化を図るため、医師会、歯科医師会及び薬剤師会が進める休日夜間急患診療所等の一体的な整備に向けて、造成工事等を支援します。また、持続可能な救急医療体制の構築に向け、二次救急医療に対する支援を強化します。

生きがいを持って生涯活躍できるまちづくりの推進では、複合化、複雑化する地域生活課題を解決するため、相談支援機関の連携を強化し、様々な機関が協働して包括的に支援する体制の充実に努めます。

高齢者の地域生活支援の充実としては、地域住民の支えあいによる買い物支援や、高齢者が交流するための通いの場づくりを推進するとともに、働く意欲のある高齢者が活躍し続けられるよう、就労支援の取組みを進めます。

障害者等への支援では、本人の希望や適性に応じた働き方を選択できるよう、就労支援の充実を図るとともに、訪問入浴事業の報酬単価引上げにより、事業者の安定的なサービスの提供につなげるなど、障害者等が地域で安心して暮らし続けられる環境整備に取り組みます。

生活困窮者等への支援としては、自立相談支援などにより社会的・経済的自立を促します。また、生活保護世帯に対しては、適切に保護を実施するとともに、デジタルを活用した生活保護事務の効率化を進めます。

保健福祉センターにおいては、特定天井の改修、空調設備の更新など、施設・設備等の計画的な修繕・整備を行い、利用者が安心して快適に使用できる施設とするとともに、地域福祉及び子育て支援の機能強化を図ることで、相談・支援の更なる充実につなげます。

災害に強い安全・安心なまちづくりの推進では、大規模災害時に、避難所の受付を円滑に行えるよう、総合防災情報システムにマイナンバーカードによる受付機能を追加するとともに、避難所生活の質の向上を図るため、簡易テントや簡易ベッド等の備蓄品を拡充し、避難所機能の更なる充実を図ります。

さらに、公共インフラの耐震化として、水道・下水道施設については計画を前倒しして進めるほか、緊急輸送路である東名高速道路に架かる上原橋の耐震工事を実施します。

暮らしをとりまく脅威から市民を守る交通安全・防犯対策の推進では、市民の交通安全意識の向上を図るため、幅広い世代を対象に啓発活動や教育を行い、交通事故の未然防止に努めるほか、令和6年度から開始した自転車ヘルメット購入への補助を、引き続き実施することで、命を守るヘルメットの着用を促進します。

また、市民の防犯意識の高揚を図るため、自治会などに対する防犯研修会を積極的に実施するとともに、昨年、自治会連合会、防犯協会及び民間事業者の3者で締結した防犯カメラの設置推進に関する協定に基づく、地域や個人宅への防犯カメラの設置を、引き続き後押しし、安全・安心なまちづくりを進めます。

女性とこどもが住みやすいまちづくりプロジェクト

次に、「女性とこどもが住みやすいまちづくりプロジェクト」の施策です。

安心して妊娠・出産できる環境づくりの推進では、子育てに関する不安や悩みが多様化・複雑化する中、個々の状況に応じて適切な支援を迅速に行えるよう、引き続き、こども家庭センターにおける支援体制の強化を図ります。あわせて、より身近な地域で、子育て家庭からの相談を受け、適切な支援につなげるため、市内9か所に設置しているぽけっと21の相談支援体制を強化します。

また、希望する全ての産婦が利用できるよう、閉院した医療施設等を活用して、家族利用も可能な新たな産後ケアを開始し、母親の心身の負担軽減と親子の愛着形成を図ります。これを機に、市内医療機関との連携体制を構築することで、将来的には、女性特有の健康課題にワンストップで対応し、女性の生涯にわたる健康を総合的にサポートする「女性ヘルスケアセンター(仮称)」の開設を目指します。

さらに、妊婦健康診査の公費負担額を引き上げ、経済的負担の軽減を図るとともに、3歳6か月児健康診査での視覚検査について、全ての対象児に屈折検査を実施し、弱視等の疾病の早期発見・早期治療につなげます。

秦野で結婚、子育てして良かったと思える環境づくりの推進では、子育て環境の充実として、小学校において、国の制度である学校給食費の抜本的な負担軽減に加え、その基準を超える部分について、地方創生臨時交付金を活用し、支援することで、給食費を実質無償化とします。さらに、アレルギーや不登校等の理由により、学校給食の提供を受けていない児童に対しては、喫食児童と同等の支援となるよう、現金給付を行います。

また、中学校や保育所等では、給食食材に対する物価高騰相当額を、引き続き支援することで、保護者に新たな負担を求めることなく、給食の質と量を維持します。

曲松児童センターにおいては、放課後学習支援事業や開放型学習室として使用する会議室に無料Wi-Fiを整備することで、学習機能の強化を図ります。また、防犯カメラを増設するなど、施設の安全・安心の確保に努めます。

こどもの居場所づくりについては、こども食堂や学習室の運営への支援に加え、新年度は「こども居場所マップ」の作成に対する支援を行うなど、地域の子育て支援団体の主体的な取組みを支援することで、地域社会全体でこどもを見守ることができる環境づくりを進めます。

女性の活躍と多様な働き方の推進では、ひとり親家庭等の早期自立と生活の安定を図るため、様々な事情により学びを途中で断念した、ひとり親及び39歳以下の若者を対象として、新たに高等学校卒業程度認定試験の合格対策講座の受講費用を助成し、就労の選択肢が広がるように支援いたします。

次代を担う「はだのっ子」の学びと成長を支える教育の推進では、こどもたち一人ひとりの学力や、学習意欲の基盤となる、主体性、自制心、協調性といった非認知能力に着目し、授業や教育活動の改善を目指す「学びの基盤プロジェクト」を推進します。あわせて、調査研究を続けてきた義務教育学校制度について、これまでの成果を保護者・地域と共有し、意見交換を積み重ねながら、制度化に向けた取組みを進めます。

また、小学校入学に向けて不安を抱える保護者に寄り添った相談体制を強化するなど、民間園と小学校との接続強化に努めるほか、新たにデジタル機器への依存防止に向けた取組みを園小中一貫して強化するなど、連続性を意識して「はだのっ子」の健やかな育ちを支援します。

さらに、民間委託により、水泳指導と部活動の地域展開の充実を図り、教職員がこどもと向き合う時間を確保することで、学力の定着・向上につなげます。

インクルーシブ教育の推進としては、新たなデジタル支援システムを導入し、個に応じた支援体制の充実を図ります。

安心で快適な学校環境づくりの推進では、急務となっている学校現場における熱中症対策を推し進めるため、小中学校の特別教室とともに、災害発生時には避難所としても利用される中学校体育館の空調工事の設計を実施します。あわせて、小学校給食調理室の空調設置をリース方式により行います。

また、北中学校管理棟及び本町中学校格技室の外壁等改修や、渋沢小学校、南が丘中学校及び渋沢中学校の消火栓ポンプ設備等の改修など、計画的な修繕を進めます。

さらに、現在、3校で直営としている小学校の給食調理について、今後、調理員の退職により現状の直営施設数が維持できなくなるため、学校給食センターの余力を最大限活用し、一部の小学校において、センター方式の給食へ移行することについて検討を進めます。

表丹沢魅力づくりプロジェクト

次に、「表丹沢魅力づくりプロジェクト」の施策です。

「面白い・楽しい・表丹沢(OMOTAN)」のブランド化の推進では、各拠点や魅力あるコンテンツをつなぐ表丹沢ツーリズムを一層充実させるとともに、SNSを活用した戦略的な情報発信により、表丹沢の認知度の向上と新たなファンの獲得を図ることで、表丹沢魅力づくり構想に掲げるビジョンの実現を目指します。

地域資源の魅力を高め、巡り・集い・滞在を促す仕組みづくりの推進では、緑水庵において、老朽化した建具やかやぶき屋根の修繕を行うとともに、敷地内の段差解消やウッドチップ舗装などの整備を行い、国登録有形文化財としての魅力及び多様な活動を支える拠点としての機能向上を図ります。

羽根林道や向山林道の周辺においては、樹木の伐採やハイキングコースへの木製ベンチ設置など、環境整備を進め、表丹沢の更なる魅力の向上につなげます。

また、羽根森林資源活用拠点(仮称)においては、森林観光都市の魅力を感じられる拠点づくりに向け、参入する民間事業者の募集を行います。

さらに、表丹沢野外活動センターにおいては、林道を活用したアクティビティやジビエ、地場産野菜といった地域の素材を生かした食のイベントの実施など、表丹沢の魅力を支える拠点施設として、サービスの充実を図ります。

地域が主体となった表丹沢ならではの体験機会の提供では、森林の魅力や癒しの効果が体感できる森林セラピーを推進するとともに、表丹沢の観光案内人であるOMOTANガイドを活用した体験型事業の充実を図り、市民や来訪者が表丹沢の「本物の魅力」を発見でき、何度でも訪れたくなる、魅力ある体験コンテンツの提供を推進します。

小田急線4駅周辺のにぎわい創造プロジェクト

次に、「小田急線4駅周辺のにぎわい創造プロジェクト」の施策です。

各駅の特色や魅力を生かしたにぎわい創造の推進では、各駅において、まちの魅力を高め、にぎわいと交流の機会の創出を図るため、地域主導による実践を支援しながら、「歩いて楽しい、歩いて暮らせるまちづくり」に向けた取組みを進めます。

まず、4駅に共通したにぎわい創造の推進では、電子地域通貨 OMOTANコインについて、地域活動を応援した方にポイントを付与するほか、妊婦への支援給付金にポイントを加算するなど、行政ポイントの付与事業を拡充します。あわせて、商店会が実施するOMOTANコインを活用した事業への支援を強化いたします。これらの取組みにより、ユーザー数の拡大を図るとともに、市民・事業者と一体となって、地域経済の好循環とコミュニティの活性化を推進していきます。

次に各駅での取組みとして、鶴巻温泉駅においては、地域が進めている「ジビエの食べられる街」の認知度向上に、引き続き努めるとともに、年間17万人以上が来訪する弘法の里湯を生かした駅周辺の回遊性向上に向けた取組みを支援します。

東海大学前駅においては、にぎわい創造検討懇話会のアイデアから始まった「ONE(オオネ)マルシェ」の継続を後押しし、地元商店会が取り組むにぎわいづくりを支援します。

秦野駅においては、ワークショップなどを通じて、まちの将来像を具体的にイメージするための「まちの未来図」を作成し、これを多くの市民と共有することで、新たな行動や取組みにつなげるとともに、まちの魅力向上に取り組む民間主体の新たな組織についても検討を進めます。

渋沢駅においては、地域の商業者と連携した体験型のワークショップの開催など、駅の南北一帯に人が訪れ、滞在し、まちの魅力を知る機会づくりに地域とともに取り組みます。

にぎわいが持続する中心市街地づくりの推進では、中心市街地活性化基本計画に基づき、市民や商業者などとの対話を重ねながら、県道705号沿道に整備する多世代交流施設の具体化のための基本計画を策定するとともに、商業・業務系施設のための事業用地の確保を進めるなど、歩いて楽しい、歩いて暮らせるまちづくりに向けた取組みを実行していきます。

各駅間を結び、人の流れを生み出す取組みの推進では、秦野駅、東海大学前駅及び鶴巻温泉駅をつなぐ観光拠点となる弘法山公園の集客力を一層高めるため、浅間山駐車場を整備するほか、3駅周辺のにぎわい創造につなげるため、インフルエンサーを活用した広報宣伝やイベントの実施などにより、更なる誘客を図ります。

秦野駅と渋沢駅をつなぐ渋沢丘陵では、国登録記念物である震生湖において、太鼓橋の完成にあわせ、四季折々の自然を楽しみながら、貴重な震災遺構の歴史を学ぶことができる解説パネルや「東屋」を設置するなど、環境整備を進めます。

さらに、渋沢丘陵一帯の活性化やにぎわいの創出につながるスポーツの拠点として、湘南ベルマーレスポーツクラブ等との協定に基づき、はだのスポーツビレッジの整備を、引き続き連携して進めるとともに、安定的かつ魅力ある運営に向けた協議を重ね、令和8年度中の供用開始を目指します。

新東名・246号バイパス最大活用プロジェクト

次に、「新東名・246号バイパス最大活用プロジェクト」の施策です。

地域特性を生かした企業誘致の推進では、戸川地区と西大竹地区の土地区画整理事業の早期完成に向けた支援を行います。

企業活動への支援の充実としては、引き続き、事業の拡大や生産性向上のために設備投資等を行う市内企業を支援します。

また、新東名高速道路の全線供用開始を見据え、本市の経済発展を担う新たな産業用地の具体化について、実現に向けた取組みを進めます。

人・モノ・交流を支えるネットワーク形成の推進では、都市計画道路菩提横野線について、令和14年度の全線供用開始に向け、並行する矢坪沢水路と一体的に整備を進め、秦野丹沢スマートインターチェンジから市街地へのアクセスを高めます。まずは、令和9年度末に予定されている企業の操業に合わせた部分供用開始を目指します。

国道246号バイパス(厚木秦野道路)早期全線事業化・整備の促進では、引き続き、県や近隣関係自治体と連携し、未事業化区間の早期全線事業化と事業化区間の早期開通を国に強く働きかけます。また、市民に対しては、事業への理解を一層深めていただくため、積極的な情報発信に取り組みます。

渋沢丘陵周辺の土地利用及び新たな道路網の具現化に向けた取組みの推進では、豊かな自然環境の保全と持続的な地域発展の両立を図るため、「渋沢丘陵周辺土地利用構想(仮称)」を策定し、にぎわいの創出や地域活性化に資する土地利用を進めるとともに、国道246号バイパス(厚木秦野道路)の開通を見据えた道路網の実現に向けて関係機関との調整等を進めます。

新たな「はだの」創造プロジェクト

最後に、「新たな「はだの」創造プロジェクト」の施策です。

豊かな自然を生かした「ゼロカーボンシティはだの」の実現では、令和12年度(2030年度)における二酸化炭素の排出量を、平成25年度(2013年度)比で46パーセント削減する目標に向け、市民生活における脱炭素化をより強力に推し進めるため、太陽光発電設備等の住宅への設置にかかる補助制度を創設します。

また、令和7年2月に国に認定されたバイオマス産業都市構想に基づき、秦野産木材のうち、製品利用されない木材の有効活用を図るため、薪の購入に対する支援を行います。引き続き、本構想に位置付けた事業化プロジェクトの実現に向け、取組みを進めていきます。

さらに、森林里山の循環サイクルを構築するための整備を進めるとともに、林野庁が進める「森の国・木の街」づくり宣言へ参画し、木のある暮らしづくりの一環として、建築物の新築・リフォームや木製遊具・玩具の購入等への補助制度を新設するなど、秦野産木材の活用に取り組み、二酸化炭素の吸収、固定化の促進につなげます。

水とみどりを守り・育む自然共生の推進では、名水フェスティバル10周年を迎えることから、記念イベントを実施し、名水の里の魅力を市内外に発信し、その普及啓発に努めます。また、OMOTANアプリを活用した名水スポット巡りにより、まち歩きの促進を図ります。あわせて、今年度に中間評価を行った地下水総合保全管理計画に基づき、地下水の量と質の保全を図るとともに、適切な利活用を進めていきます。

暮らしの利便性を高めるデジタル化の推進では、はだのDX推進計画の基本理念「デジタルで支える、市民と行政の未来」の実現に向け、窓口業務と内部事務を一体的に変革する「フロントヤード・バックヤード改革」や生成AIの積極的な活用などに取り組みます。さらに、「行かない窓口」に向けた取組みとして、戸籍謄抄本をコンビニエンスストア等で取得できるサービスを開始し、ライフイベントで必要となる主要な証明書を、身近で簡単に取得できる環境の充実を図ります。

市民力・地域力・職員力を高める市役所改革の推進では、新たな「職員(ひと)づくり基本方針」に掲げる「目指す職員像」の実現に向け、職員の対人能力やデジタル推進力を高める研修などに取り組んでいきます。

5つの基本目標

引き続き、「秦野みらいづくりプロジェクト」以外の施策について、総合計画に掲げた5つの基本目標に沿って、説明いたします。

誰もが健康で共に支えあうまちづくり

まず、「誰もが健康で共に支えあうまちづくり」の施策です。

健康で暮らせる環境づくりの推進では、40歳未満の若年末期がん患者の在宅療養に必要な生活費用の一部を支援する助成制度を創設し、患者及びその家族の介護や経済的負担の軽減を図ります。

誰もが安心して暮らせる地域共生社会の実現では、介護予防・日常生活圏域ニーズ調査等の結果を踏まえ、地域包括ケアシステムの深化・推進や、認知症とともに歩む地域づくりなどの重点施策を進めていくため、第10期高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画を策定します。

子育ての希望をかなえる社会環境づくりの推進では、保育士等への実質的な家賃補助となる宿舎借り上げ支援事業等を創設し、民間保育所等における保育人材確保を促進するとともに、若木保育園のこども園化への建替え支援をはじめ、民間保育所等が実施する施設の老朽化に対応した改修への支援を行い、保育所等の利用環境の向上を図ります。

生涯にわたり豊かな心と健やかな体を育むまちづくり

次に、「生涯にわたり豊かな心と健やかな体を育むまちづくり」の施策です。

こどもたちの生きる力を育む教育環境づくりの推進では、令和6年9月に策定した「みんなで考えるみらいの学校整備指針」をもとに、整備時期が最も早く到来する大根中学校区において、現在策定中の「大根中学校区学校整備構想」を広く周知するとともに、地域との意見交換を積み重ね、より具体的な設計に向けた取組みを進めます。

また、児童・生徒の学習用端末について、次期端末への円滑な移行を進めるほか、学習ドリルアプリと統合型校務支援システムとの連携により、デジタルツールを活用した丁寧な個別支援による学力の向上及び校務の効率化につなげます。

生涯にわたり学び生かす環境づくりの推進では、令和12年に更新時期を迎える南公民館について、当初検討していた既存敷地内での建替えに加え、他の公共施設との複合化の可能性を含めた用地選定や地盤調査、児童館の機能移転の検討などを行い、建替えに向け、基本設計を進めます。

豊かな市民文化と平和意識を育む環境づくりの推進では、市民の文化芸術活動の振興として、本年3月に完成する第6回秦野丹沢野外彫刻展の入賞作品を活用し、「彫刻のあるまち」を市内外にPRするとともに、文化会館の指定管理者と連携しながら、質の高い文化芸術に触れる機会の提供に努めます。

平和意識の普及・啓発の推進としては、市民一人ひとりの平和を愛する心を育むため、「平和都市宣言」や「平和の日」の理念の下、市民の主体的な活動を支援するとともに、市民と協働した啓発活動を展開いたします。

生涯にわたりスポーツを楽しめる環境づくりの推進では、スポーツの普及促進として、「一人で」「気軽に」「誰でも」参加できるよう、ウォーキングアプリを活用したイベントを開始し、運動を始めるきっかけづくりを推進します。また、スポーツ環境の充実として、なでしこ運動広場の多目的グラウンドの整地工事を実施します。

名水の里の豊かな自然と共生し安全・安心に暮らせるまちづくり

次に、「名水の里の豊かな自然と共生し安全・安心に暮らせるまちづくり」の施策です。

環境と共生する快適な暮らしの確保では、ごみの減量と資源化の推進として、本年4月から、環境資源センターをはじめ、全ての公民館において、モバイルバッテリー等のリチウムイオン電池の拠点回収を開始します。

地域特性を生かした都市農業の振興では、新規就農者の育成や、地域農業をけん引する認定農業者等の経営基盤強化に対する支援に、引き続き取り組みます。また、新鮮で安全な農産物の供給を維持するため、病害虫防除対策への支援を拡充します。

鳥獣被害対策については、「環境整備」や「防除」、「捕獲」の基本施策を組み合わせ、総合的な対策を実施していくとともに、農業者の鳥獣捕獲に係る奨励金を拡充するなど、担い手への支援を通じ、被害の抑制を図ります。さらに、捕獲した鳥獣のジビエ利用について、引き続き、猟友会などと連携し、推進していきます。

市民の生命と暮らしを守る安全・安心な生活環境づくりの推進では、消防・救急体制の充実として、複雑多様化する消防需要や増大する救急需要へ的確に対応するため、消防車両を更新します。また、消防業務のDX化の推進として、マイナ救急システムの本格導入や、県内初となる病院との映像通報システムの連携を東海大学医学部付属病院と実施することで、救急活動の一層の効率化を図ります。

さらに、秦野赤十字病院と連携した派遣型救急ワークステーションの運用や、高度な救命処置を行う救急救命士の養成に加え、市民の救命活動を支援する「バイスタンダーサポート体制」の構築や、応急手当の普及啓発に努め、救命効果の向上を図ります。

消防団施設等の充実としては、平沢地区の消防団車庫待機室の建替えと小型動力ポンプ付積載車2台の更新に加え、災害対応する消防団員の個人装備品を更新し、地域防災力の強化を図ります。

安心できる消費生活の支援としては、消費生活センターに寄せられる相談に適切に対応するとともに、高齢者やその見守りをする方を対象とした、消費者トラブルに関する啓発講座を行うなど、消費者の安全と安心を確保するための取組みを実施します。

また、市民相談の充実として、生活上の悩みごとを抱えた市民に対応するため、引き続き、市民生活相談員の配置のほか、法律相談など、専門分野の各種相談を定期的に行います。

住みたくなる訪れたくなるにぎわい・活力あるまちづくり

次に、「住みたくなる訪れたくなるにぎわい・活力あるまちづくり」の施策です。

暮らしやすく活力ある都市機能の維持・充実では、都市形成と基盤整備の推進として、秦野駅南口の良好な市街地を形成するため、今泉地区の土地区画整理事業について、令和9年度の工事完了に向けた建築物の移転補償や造成工事を進めます。

地域に愛される公園や緑地の創造としては、おおね公園やくずは台北公園などの遊具改修のほか、総合体育館の消防設備の更新を実施するなど、施設を適切に維持管理することで、利用者の安全性と利便性の向上を図ります。

地域を結ぶ公共交通ネットワークの確保・維持としては、公共交通空白・不便地域を走る乗合自動車について、市民のニーズや交通事業者の実情を把握した上で、地域の協議会等を通じ、公共交通の最適化を図り、市民の日常生活に必要な移動手段の確保に努めます。

地域に根ざした活力ある工業の振興では、企業の人材不足の課題に対応するため、就職先に市内企業を選択してもらう機会づくりとして、子育て世帯や高校生など、多様な人材を対象に、市内企業との交流や就職相談ができる場を創出します。

魅力とにぎわいのある商業の振興では、商業の担い手の創出と事業承継への支援が急務であることから、新たに起業・事業承継支援プログラムを実施し、創業、副業、地域活動等につながる人材の掘り起こしや、事業承継支援の仕組みづくりを進めます。

良好な住環境の創出では、「はだのOMOTANライフ応援事業」により、引き続き、若者世代・子育て世代の住宅取得を支援します。さらに、市内で活動している移住者や二拠点居住者で構成される団体等と連携した移住体験ツアーや、移住ポータルサイトの作成などの取組みにより、本市への移住定住の促進に努めます。

また、第3期秦野市空家等対策計画に基づき、住まいの終活セミナーや空家バンクの登録促進などにより、空家の発生抑止や利活用を図るとともに、危険な空家の解体費用の補助制度を創設し、管理不全空家対策の推進に努めます。

市民と行政が共に力を合わせて創るまちづくり

最後に、「市民と行政が共に力を合わせて創るまちづくり」の施策です。

協働による地域運営の推進では、多様な担い手による協働の推進として、総合計画にあわせて改定する「地域まちづくり計画」に基づき、市民と行政が特色あるまちづくりを協働・連携して進めます。また、自治会等の地域活動における困りごとを把握し、支援したいサポーターを結び付けることで、担い手不足の解消に取り組みます。

関係人口の創出・拡大につながるふるさと寄附金については、市内事業者との連携を一層強化し、それぞれの強みを生かした返礼品の魅力向上と戦略的な情報発信に努めることで、寄附の拡大につなげるとともに、制度を通した本市の魅力発信を図ります。

広報・広聴活動の充実とシティプロモーションの推進としては、広報はだのをはじめ、SNSを活用した時代に即した効果的な広報活動を推進するとともに、昨年、秦野駅列車接近メロディーとして、本市とゆかりの深いロックバンドLUNA SEAの楽曲が導入されたことを記念し、秦野駅北口広場周辺にメンバーの手形碑を設置することで、本市の魅力向上につなげます。また、わたしの提案制度や懇談会等で寄せられる、若い世代をはじめとする様々な立場からの意見に耳を傾け、対話を深めながら、市政運営へ的確に反映します。

人権を尊重し、多様性を認めあう社会づくりの推進としては、個人の尊厳を尊重する意識を育むとともに、誰もが個性と能力を発揮してあらゆる分野で活躍できる社会の実現を目指し、市民団体等と連携して、講演会や映画会などの啓発活動を推進します。また、女性相談では、様々な機関との連携を図り、相談者が抱える問題の解決に向けた支援につなげていきます。

市民に信頼される持続可能な行財政運営の推進では、効率的かつ効果的な行財政運営の実現を図るため、第2期はだの行政サービス改革基本方針に基づき、質と量の両面から改革に取り組みます。

公共施設再配置の推進としては、必要な公共施設サービスを将来にわたり持続可能なものとするため、公共施設再配置計画第2期基本計画後期実行プランに基づく取組みを推進するとともに、学校施設との複合化を含めた公共施設の在り方を、引き続き検討します。

また、市役所庁舎の将来の在り方を検討するため、先進事例について、調査研究を進めます。

 

引き続き、市民の暮らしを守り、地域経済を下支えする物価高騰対策の取組みについて、説明します。

物価高騰が続く中、その影響を受けている市民や事業者の負担軽減を図るため、国の地方創生臨時交付金を活用し、小・中学校、保育所等の給食費への支援のほか、市営水道という本市の特性を生かし、3月検針分から開始する水道料金の基本料金無料化等を、引き続き実施してまいります。

今後も、物価高騰の状況を注視しながら、市民や事業者への必要な物価高騰対策について、適時適切に講じてまいります。

 

以上、私の令和8年度における市政に臨む基本方針と主な施策について述べました。「ふるさと秦野」の未来をより確かなものとするため、誠心誠意、取り組んでまいりますので、皆様のご理解・ご協力をお願い申し上げます。