コンテンツにジャンプ メニューにジャンプ

トップページ > 市政情報 > 財務 > 令和6年度 >令和6年度秦野市長施政方針

令和6年度秦野市長施政方針

問い合わせ番号:17089-4371-9680 登録日:2024年2月26日

シェア

 2月26日(月曜日)に開会した令和6年3月第1回定例月会議の冒頭に、令和6年度施政方針を述べさせていただきました。

秦野市長 高橋昌和

施政方針を表明する高橋市長

 

はじめに

 令和6年度の一般会計予算案をはじめ、諸案件を提案するに当たり、私の市政に臨む基本方針と主な施策について述べさせていただきます。

 初めに、元日に発生した能登半島地震により、犠牲となられた方々に深く哀悼の意を表します。また、被災された方々、今も避難生活を余儀なくされている方々に心からお見舞いを申し上げるとともに、被災地の一日も早い復興を心からお祈りいたします。

 特に被害の大きかった輪島市では、能登半島を象徴する国の名勝「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」や、千年を超える歴史を誇り日本三大朝市の一つに数えられる「輪島朝市」なども甚大な被害を受けました。

 ふるさとの変わり果てた姿を目の当たりにし、悲しみ、途方に暮れる人々を復興へと奮い立たせたのは、「ふるさとへの深い愛着」と「地域住民の強いきずな」であると感じました。地域の人々が互いに助け合い、協力して困難を乗り越えていく姿に感銘を受けるとともに、日頃から自治会活動などを通じて顔の見える関係を築き、地域コミュニティを育むことの大切さを改めて感じました。
 今後も関係機関と連携し、発災直後から取り組んでいる、被災された方々や被災自治体への支援を継続するとともに、被災地の復興への歩みに学びながら、16万市民の生命(と暮らしを守る「市民総ぐるみの防災・減災対策」や「地域コミュニティ」の充実・強化に努めてまいります。

 また、自然災害はもとより、現在も続く、ウクライナやパレスチナをはじめとした世界情勢の不安定化など、近年、平和は脅威にさらされ続けています。今こそ、「市民憲章」や「平和都市宣言」の理念のもとに、永遠の平和を希求し、愛する郷土を守り、引き継ぐ強い思いを市民と改めて共有し、平和や命の大切さを共に考え、発信してまいりたいと思います。

  さて、「100年に1度の危機」とも言われた、新型感染症との4年にわたる闘いを乗り越えて、社会経済活動が本格化してきています。
 この機を逸することなく、令和8年度の県道705号の拡幅整備後を見据えた「秦野駅北口周辺のまちづくり」や、令和9年度の新東名高速道路の全線開通を見据えた「秦野丹沢スマートインターチェンジ周辺のまちづくり」に取り組みます。これにより、地域のにぎわいを引き出し、安全・安心につながるインフラ整備を着実に進めるとともに、新東名高速道路の広域利便性を最大限活用した、新たな産業系の土地利用と企業誘致促進のための支援に取り組みます。
 また、森林里山面積が市域の約52パーセントを占める、本市ならではの魅力を生かしながら、産業振興や地域活性化にもつながる「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けた取組みを進めてまいります。                                   

 コロナ禍を機に、社会全体で急速に進められているデジタル化については、行政サービスへの導入を政策的かつ戦略的に展開するとともに、自治会など市民活動におけるデジタル化の導入・活用の支援や、市内経済の好循環と地域コミュニティの活性化を目的とした、電子地域通貨の導入に向けた取組みを進めてまいります。

 折しも国は、「こどもまんなか社会」の実現を掲げて「こども大綱」を策定し、こども政策を総合的に推進しています。
 そのような中、本市の念願であった産科有床診療所が昨年11月、市内鈴張町に開院されました。平成27年2月に秦野赤十字病院が分娩業務を休止して以来、実に8年越しとなる市民の願いと関係者の努力が見事に結実いたしました。
 同院では、既に多くの新しい生命が誕生し、健やかに成長しています。ふるさと秦野の未来を担う「はだのっ子」一人ひとりを、地域社会全体で守り、育む決意を新たにいたしました。
 国の取組みは、本市が進める「女性と子どもが住みやすいまちづくり」と軌を一にするものであり、今後も国・県との連携を密にするとともに、産後ケア事業の拡充や公立児童ホームの対象学年の拡大、小児医療費助成の対象年齢の拡大など、市独自の施策も積極的に推し進め、「妊娠・出産から、子どもたちが社会にはばたくまで」切れ目ない支援の充実・強化に努めてまいります。

  こうした、ハード面、ソフト面の様々な取組みを着実に進める中、本市では令和3年以降、転入者が転出者を上回る、人口の社会増加が続いています。引き続き手を緩めることなく、「表丹沢の魅力づくり」と「小田急線4駅周辺のにぎわい創造」を軸とした、移住・定住人口の増加につながる施策を展開し、誰もが住みたい、働きたい、何度でも行ってみたいと思う、魅力あふれる「全国屈指の森林観光都市」の具現化を進めてまいります。これにより、都市像である「水とみどりに育まれ誰もが輝く暮らしよい(都市(まち)」の実現を目指します。

 『一円融合(いちえんゆうごう))

 これは、二宮尊徳翁の教えの一つです。植物が水、温度、土、日光、養分など、いろいろなものが融け合い、一つになって育つように、世の中にあることは全て一つの円の中で作用し合い、一体となることで成果が得られることを説いています。
 現代の自治体運営に例えれば、近隣を含めた地域全体を一つの円として捉え、行政サービスを競い合う「自治体間競争」から、よりよい地域社会を共に創造する「自治体間協調」へと変化していくことで、一体的に大きな成果が生まれるということです。
 本市が進めている秦野の魅力づくりや、周辺自治体それぞれの魅力向上への取組みは、やがて「県央・県西地域全体の魅力」へとつながっていきます。厚木市、伊勢原市、愛川町及び清川村との「県央やまなみ広域連携」や、中井町、大井町及び松田町との「一市三町広域連携」などの広域行政により、丹沢・大山や渋沢丘陵など、地域共通の資源を生かし、協働して魅力を育み、全国へ発信し、地域全体の発展へとつなげてまいります。

  「日本一おいしい水のもと、人や動物、自然が育まれる豊かな環境で生活できる幸せを多くの人に知ってもらいたい」、「秦野の歴史や文化を学ぶ中で、変わらずにあり続けることの大切さ、変化していくことの素晴らしさを知り、魅力ある秦野のまちを広く未来に伝えていきたい」
 これは、本年1月に開催した「はだのっ子アワード」での、受賞者代表の児童二人からの、「ふるさと秦野」への想いがあふれるメッセージです。

 令和7年1月1日に本市が市制施行70周年を迎えるに当たり、新年度は、この節目の年の機運醸成に努め、記念事業も一部実施していく中で、次の時代を担う「はだのっ子」とともに、先人たちのこれまでの歩みを改めて振り返り、誇りと愛着を更に深めながら、市民一体となって、輝かしい未来に向かって着実に歩みを進めてまいります。

  私が、平成30年1月の秦野市長就任に当たり、ふるさと秦野の限りない発展を願って市民の皆様とお約束した「5つの誓い」を中心とする取組みは、「総合計画はだの2030プラン」の推進により、着実に実を結んできています。これまで新たな道を拓き、成長の種をまいてきた様々な取組みが、より大輪の花を咲かせられるよう、今後も市民一人ひとりの声を大切にし、ふるさと秦野の更なる発展にまい進してまいりますので、改めて、議員の皆様、市民の皆様の御理解・御協力をお願い申し上げます。 

 令和6年度当初予算は、都市像の実現に向け、これまでの取組みを着実に進めるとともに、新たな事業についても積極果敢に挑戦し、実りある成果へとつなげていくため、「ふるさと秦野の輝く未来へ、歩みを加速させる予算」として編成しました。

 “住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト(5つの誓い2022)

 それでは、令和6年度の主な取組みについて、まずは、「“住んでみよう・住み続けよう”秦野みらいづくりプロジェクト(5つの誓い2022)」に沿って、説明します。

 健康で安心して暮らせるプロジェクト

 はじめに、「健康で安心して暮らせるプロジェクト」の施策です。
 水とみどりを育む取組みの推進では、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組みとして、太陽光発電を軸とした再生可能エネルギーの積極的な活用を促進するとともに、脱炭素の取組みに特化したポータルサイトを立ち上げ、市民や事業者へのタイムリーな情報発信に努めます。
 また、市役所においては、市庁舎等の照明設備のLED化、再エネ電力の導入、電気自動車等の次世代自動車の拡充などを着実に推進し、地域のモデルとなる事業所を目指します。
 さらに、木材や食品残さなど、多品種少量のバイオマス資源を生かした都市近郊型の「バイオマス産業都市構想」を国に提案し、1都3県初の認定を目指します。
 加えて、森林里山の循環サイクルを構築するため、森林整備を進めるとともに、人生の様々な節目で木と触れ合う機会を創出するなど、秦野産木材の活用促進に取り組み、二酸化炭素の吸収、固定化の促進につなげます。

 市民共有の財産である「秦野名水」の保全と利活用としては、「名水百選」ゆかりの市町が全国から集う「名水サミット」を令和7年度に控え、秦野名水を市内外にPRするための動画を作成し、「秦野名水」の普及啓発に努めます。

 
人生100年時代の健康長寿に向けた取組みの推進では、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な取組みとして、サロンなどの通いの場や健診結果を活用し、生活習慣病の重症化予防やフレイル予防など、高齢者一人ひとりに合わせたきめ細かい支援を実施し、健康寿命の延伸を図ります。
 また、生涯現役促進地域連携事業推進協議会が進めてきた高年齢者のための就労支援策が本年3月に終了することを受け、新たな就労支援事業として、シルバー人材センターへ委託し、相談窓口を設置するなど、社会参加や生きがいづくりを促進し、生涯現役で活躍し続けられる社会を目指します。

 地域医療体制の充実強化としては、休日・夜間における診療体制を維持するため、医師会などと連携し、老朽化している休日夜間急患診療所の建替えを含めた検討を進めるとともに、秦野赤十字病院の小児二次救急の輪番制復帰を目指し、安心して子育てができる環境整備に努めます。
 健康増進のための生涯スポーツの普及促進としては、ウォーキングやボルダリングなど、一人で気軽に始められるスポーツの普及に努めます。

 生きがいを持って安心して暮らせるまちづくりの推進では、地域共生社会の実現に向けた取組みとして、誰もがニーズに合った福祉サービスを受けられるよう、地域共生支援センターに専門の相談支援員を配置し、包括的な相談支援体制の充実を図るとともに、地域生活課題を抱えながらも、自ら支援を求めることが難しい人に必要な支援を届けるアウトリーチ事業を継続します。
 また、成年後見制度について、必要とする人が制度の利用につながるよう、報酬等の助成対象を拡充するなど、生涯にわたり地域の中で安心して暮らせるまちづくりを進めます。

 障害者等への支援としては、医療的ケア児への支援体制を拡充するとともに、より多くの障害者の地域生活移行や自立生活を支えるため、相談、就労、地域活動支援の充実を図り、障害者一人ひとりが自分らしく暮らすことができる「共生社会」の実現を目指します。

 
生活困窮者等への支援としては、引き続き、自立相談や家計改善支援などの包括的な支援により、生活困窮者等の自立を促進します。また、物価高騰により、厳しい状況にある生活困窮者等の生活や暮らしを支援するため、物価高騰対策支援給付金を支給するとともに、フードバンクの設置及び運営に対する支援を通じ、食料支援体制の充実を図ります。

 災害や犯罪に強いふるさとづくりの推進では、令和6年能登半島地震を教訓に、切迫性が極めて高い都心南部直下地震、また、激甚化、頻発化する風水害などの災害に対する備えを進めます。
 円滑な避難所運営としては、平時から避難の際に必要な情報を総合防災情報システムに登録し、災害発生時は、自らのスマートフォンなどを用いて、迅速に避難所の受付を行うことができるよう、システムの機能拡充に努めます。

 住居の防災対策の推進としては、旧耐震基準の木造住宅を対象にした木造建築物耐震改修工事等補助金を拡充し、建築物の耐震化を促進します。
 
また、急傾斜地崩壊防止対策事業については、神奈川県と連携しながら、東田原地区の崩壊防止対策工事の早期完成を目指すとともに、急傾斜地崩壊危険区域に指定がされていない、大椿台地区などについて、県の早期指定を目指し、地元要望書の取りまとめや説明会の準備などを進めます。

 職員の防災力向上に向けた取組みとしては、災害リスクマネジメントや庁内連携等の課題を整理し、必要な訓練を体系化するとともに、組織対応能力や職員の危機管理能力の向上を目的とした研修や訓練を計画的に実施することで、防災、危機管理体制の更なる充実強化を図ります。

 
公共施設等においては、市民が安心して施設を利用できるよう、文化会館と保健福祉センターの特定天井や本庁舎と図書館のエレベーターの改修を進め、利用者の安全確保に努めます。
 
また、水道・下水道施設の耐震化を着実に進めていくとともに、特に重要度が高い東名高速道路や小田急線に架かる橋りょうの耐震化については、南矢名陸橋外3橋の耐震補強工事を実施します。

 
市民の(生命と暮らしを守る防犯対策の充実としては、引き続き、防犯カメラの効果的な配置に努めるとともに、青色回転灯装備車両による市内巡回パトロールの拡充を図るなど、防犯体制を強化します。
 また、コロナ禍以降、増加傾向にある特殊詐欺をはじめとした犯罪に対しては、警察、防犯指導員連絡会などの防犯ボランティア、自治会等と連携し、防犯パトロールや周知活動を行うことで、被害の未然防止に努めます。

未来を拓く子育て・教育プロジェクト 

 次に、「未来を拓く子育て・教育プロジェクト」の施策です。
 安心して妊娠・出産できる環境づくりの推進では、産後ケア事業について、昨年11月の市内での分娩業務再開を契機として、新たに宿泊型を開始するとともに、利用上限回数を拡大します。
 また、先進医療に対する「不妊治療助成事業」を創設し、女性と子どもが住みやすいまちづくりへの取組みを進めます。

 
秦野で子育てして良かったと思える環境づくりの推進では、現在、中学生までを対象としている小児医療費の助成について、本年10月から対象年齢を18歳まで拡大し、全ての子どもたちが社会にはばたくまでの健やかな成長を支援します。
 
また、放課後児童ホームについて、新年度から市内全ての児童ホームの対象学年を小学4年生から6年生までに拡大します。
 
さらに、物価高騰に対する支援として、市内にある保育所等や小・中学校における給食費を据え置き、保護者の経済的な負担を軽減するため、給食食材に対する物価上昇相当額を支援します。

 
次代を担う「はだのっ子」の確かな学力向上施策の推進では、子どもたち一人ひとりの学力の伸びと学習意欲の基盤となる非認知能力に着目した授業改善の取組みとして、令和3年度から開始した「学びの基盤プロジェクト」を、全市的な展開として拡充します。
 また、昨年4月から生活困窮世帯の学習支援事業と一本化した寺子屋方式の放課後学習支援事業を拡充するなど、教育水準の改善・向上を図ります。
 さらに、学校における働き方改革を推進するため、部活動の地域移行をはじめ、学校業務改善推進方針に掲げた取組みを着実に実行し、教職員が子どもと向き合う時間の確保に努めます。

 幼児教育・保育の質の充実としては、昨年、旧大根幼稚園跡地に開設した「はだの(E-Lab(イーラボ)」を活用し、乳幼児教育センターを新たに設置するとともに、現在、モデル園で試行中の「園小接続カリキュラム」の運用を軸に、公私園種の枠を越えた園小中一貫教育の強化を図ることで、子育て支援の充実につなげます。
 また、保育士等の負担を軽減するため、民間保育所等における人員配置に対する補助基準を見直し、保育の質の向上を図ります。

 教育・保育環境の充実としては、公私連携幼保連携型認定こども園に移行するほりかわ幼稚園について、運営法人と協定を締結するなど、令和7年4月1日の開園に向けた準備を進めるとともに、施設整備に対する支援を行います。

 
市民総ぐるみによる学校給食の推進では、地産地消や地域経済の活性化に向け、学校給食全体における食材の調達方法等について、秦野市農業協同組合や秦野商工会議所などとの意見交換を踏まえた改善を図ります。
 また、地場産品を取り入れた献立の工夫や、生産者との顔の見える関係を生かした食育を推進していきます。

小田急線4駅周辺のにぎわい創造プロジェクト

 次に、「小田急線4駅周辺のにぎわい創造プロジェクト」の施策です。
 小田急線4駅周辺のにぎわい創造では、各駅において、まちの魅力を高め、にぎわいと交流の機会の創出を図るため、公共空間や公共施設などの更なる活用や、まちに人が回遊し、滞留するための拠点づくりなど、にぎわい創造検討懇話会において挙げられた提案の具現化に向け、地域と連携して、「歩いて楽しい、歩いて暮らせるまちづくり」に向けた取組みを進めます。

 秦野駅北口周辺においては、地域と共にまとめた、まちづくりビジョンの実現に向け、昨年実施した2度の社会実験を踏まえ、県が拡幅整備を進める県道705号沿道における交流拠点の整備に向けた検討や商業・業務系施設の立地促進、水無川沿いの市道6号線等の公共空間の更なる活用などにより、中心市街地の活性化に取り組みます。
 
また、県の整備に対して積極的な協力及び支援を行うとともに、県と連携しながら、片町通り交差点東側、市道25号線の改良事業を進めます。
 
さらに、駅周辺のにぎわい創造と観光客の受入れ体制の強化を図るため、秦野市観光協会の秦野駅構内への移転を支援します。

 
秦野駅南口においては、令和9年度の工事完了を目指し、今泉地区の土地区画整理事業による建築物の移転補償や造成工事を進め、良好な住環境の創出と交通利便性の向上を図ることで、将来を見据えた駅周辺の活性化につなげます。

 
鶴巻温泉を生かしたにぎわい創造の推進では、大山と鶴巻温泉駅を結ぶバスの季節運行により、誘客を図るとともに、商店会、自治会、温泉組合をはじめ、地域と一体となり、温泉やジビエを活用したイベント等を実施することで、地域経済の活性化につなげます。

 
渋沢丘陵を生かしたにぎわい創造の推進では、四季折々の景色が楽しめる震生湖について、来訪者の安全・安心の確保と更なる魅力向上のため、太鼓橋を架け替えるとともに、新たな橋の名称を公募するなど、市民が愛着を持ち、親しみを感じていただくための取組みを進めます。
 
さらに、渋沢丘陵一帯の魅力を引き出し、地域活性化につなげていくため、日本バイオアッセイ研究センターなどの跡地活用の提案も含めた包括的な土地利用の検討を進めるとともに、その拠点の一つとして、公民連携による「はだのスポーツビレッジ」の整備に向けた取組みを進めます。
 
各駅間を結ぶ人の流れを生み出す取組みでは、秦野駅、東海大学前駅、鶴巻温泉駅をつなぐ観光拠点となる弘法山公園の更なる魅力向上を図り、3駅周辺のにぎわい創造につなげるため、今年度策定する利活用方針に基づき、展望デッキをはじめ、バードサンクチュアリや道標の整備に取り組みます。

 
4駅に共通したにぎわい創造の推進では、電子地域通貨事業について、市民や商業者等に対する丁寧な周知を図り、導入に向けた機運を高めるとともに、本年中の開始を目指し、事業の受託者の選定や参加店舗の募集などの準備を着実に進めます

 新東名・246バイパスの最大活用プロジェクト

 次に、「新東名・246バイパスの最大活用プロジェクト」の施策です。
 表丹沢魅力づくり構想の推進では、表丹沢の更なる認知度向上とブランド化を積極的に進める中、新たにアウトドア系のインフルエンサー等を活用し、表丹沢の旬の情報や体験コンテンツなどの効果的な発信に取り組みます。

 
構想エリア東側の緑水庵周辺においては、来訪者の蓑毛地区での周遊性を向上させるため、令和5年度に取得した緑水庵南側の土地を駐車場及び多目的広場に整備するとともに、令和7年度に予定している緑水庵の老朽化対策や耐震化、屋外トイレ改修のための設計に取り組みます
 
また、田原ふるさと公園においては、更なる魅力向上に向け、集客性を高めるための取組みや持続可能な運営方法について、地域とともに検討を進めます。
 
エリア中央に位置する羽根森林資源活用拠点(仮称)においては、森林観光都市の魅力を感じられる拠点づくりに向け、本市林業への影響、市域全体への経済波及効果等を検証します。

 
地域特性を生かした企業誘致の推進では、昨年7月から着工している西大竹地区と、組合設立を目前に控えている戸川地区の土地区画整理事業を支援し、優良な企業が進出できるよう、産業拠点の整備を進めます。
 
また、コロナ禍で停滞した企業活動の回復等を背景に、国内に事業拠点を求める企業ニーズが高まっていることから、企業等の新規立地及び市内企業等の施設再整備に係る支援を拡充します。

 
新たな人の流れを支えるネットワーク形成の推進では、秦野丹沢スマートインターチェンジから市街地へのアクセス性を高める都市計画道路菩提横野線及び並行する矢坪沢の整備に向けた地権者との用地交渉及び買収を引き続き進めるとともに、一部区間においては、順次工事に着手します。
 
また、スマートインターチェンジから県立秦野戸川公園や表丹沢野外活動センターなど、表丹沢周辺の観光施設を結ぶ市道の整備を進め、周遊性を高めます。

 
国道246号バイパス(厚木秦野道路)早期全線事業化・整備の促進では、未事業化区間について、県や近隣関係自治体と連携し、国に対して早期全線事業化を強く働きかけるとともに、国が行う「伊勢原西インターチェンジ(仮称)」から「秦野中井インターチェンジ」までの事業化区間の早期開通に向け、事業への理解を深めていただくための周知や沿線自治会等に対する進捗状況の説明など、積極的な情報発信に取り組みます。

 そして、本市に多くの人を呼び込むための「移住・定住活性化プロジェクト」では、引き続き、若者世代等の住宅購入費の一部を補助する「はだの丹沢ライフ応援事業」などにより、移住・定住者を支援します。
 
また、移住お試し住宅では、自然豊かな環境にある「TANZAWA LIFE」、まちなか環境にある「miraie」による生活を体験いただき、本市への更なる移住促進を図ります。

 
野生鳥獣のジビエ利用としては、引き続き、猟友会と連携し、安定供給を図るとともに、関係者や関係団体と連携し、市内精肉店等を通じて市民や飲食店への普及促進を図ります。
 
さらに、本市が誇る観光資源の一つである桜については、「桜咲く秦野盆地」を市民自らの手で後世へ継承していくため、桜のオーナー制度による植樹祭を開催します

新たな日常創造プロジェクト

 最後に、「新たな日常創造プロジェクト」の施策です。
 市民の利便性を高めるデジタル化の推進では、ICTの積極的な活用として、本年12月に予定されているマイナンバーカードと健康保険証の一体化などを踏まえ、カードの取得促進のため、引き続き、窓口や地域における申請支援を実施します。
 また、カードに記録された情報を活用することで、総合窓口における各種申請書の手書き記載が不要となる「書かない窓口」を導入するとともに、スマートフォンなどで申請から支払いまでを行い、住民票等の各種証明書が自宅で受け取れる仕組みを導入するなど、利便性の向上に取り組みます。

 
さらには、道路や上下水道等の各種地図情報を取得できる「はだのデジタル都市情報コーナー」を開設するなど、デジタルを活用した窓口改革を進めます。そのほか、弘法山展望台エリアや全公民館の各部屋で公衆無線LANが利用できる環境を整備するとともに、基幹系システムの標準化・共通化に向けた作業を開始するなど、「はだのICT活用推進計画」に基づく各種取組みを推進します。

 
自治会のICT化への取組みとしては、自治会SNS「いちのいち」の利用世帯拡大を図るため、地域での出前説明会を開催し、実践事例の共有化による利用促進に取り組みます。

 
市民に信頼される市役所改革では、職員の育成として、社会の変化を捉え、誰もが意欲をもって働き、能力を最大限発揮することができる環境を整えながら、研修をはじめとする人材育成方法を見直すとともに、職員(ひと)づくり基本方針の改定作業を進めます。
 
また、本市における行政サービスの質の向上を図るため、「はだの行政サービス改革基本方針」に基づく取組みを進めるとともに、外部評価の結果を踏まえ、今後の改革の在り方を検討します。
 
公共施設再配置の推進としては、地域ごとの実態を踏まえながら、引き続き、学校施設との複合化を含めた公共施設の在り方の検討を進めます

5つの基本目標

 引き続き、「秦野みらいづくりプロジェクト」以外の施策について、総合計画前期基本計画に掲げた5つの基本目標に沿って、説明します。

誰もが健康で共に支えあうまちづくり

 まず、「誰もが健康で共に支えあうまちづくり」の施策です。
 
健康寿命の延伸に向けた健康づくりの推進では、今年度策定する「健康はだの21」及び「はだの自殺対策計画」に関連する事業について、企業や大学等との協働による効果的な保健事業を実施し、市民の心身の健康増進を図ります。

 若い世代の結婚と出産・子育ての希望をかなえる社会環境づくりの推進では、令和7年度を始期とする「第3期子ども・子育て支援事業計画」について、新たに作成する「こども計画」と一体のものとして策定することに取り組みます。

 
保育所等の利用環境の向上としては、民間保育所等における施設の老朽化に対応した改修や、保育士の負担軽減等につながる、タブレット端末等の導入によるICT環境の整備への支援を行い、就学前の子どもを持つ保護者が安心して預けることができる、保育環境の整備に取り組みます

生涯にわたり豊かな心と健やかな体を育むまちづくり

 次に、「生涯にわたり豊かな心と健やかな体を育むまちづくり」の施策です。
 次世代を見据えた教育基盤の整備では、児童・生徒数の減少や学校施設の耐用年数などを踏まえ、広く市民の意見を募るための「将来の学び舎)(や)づくりに係る指針」を策定するとともに、義務教育学校を含めた今後の学校の在り方について検討していきます。

 安全・安心で快適な教育環境づくりの推進としては、渋沢小学校渡り廊下の屋上防水工事など、適切な修繕を行うとともに、本年4月から新校務支援システムを本格稼働させることにより、学校教育におけるDX(デジタル・トランス・フォーメーション)を推進し、教職員の負担軽減や教育水準の改善・向上につなげます。

 
生涯学習活動の推進では、市民一人ひとりが豊かな人生を送ることができるよう、持続可能なひとづくり・まちづくりについて学ぶため、二宮尊徳翁の教えである「報徳仕法」をはじめとする学習機会の提供や普及啓発等に取り組みます。

 
市民の文化芸術活動の振興では、市制施行70周年を記念して新たな野外彫刻の設置に向けたマケット展を開催し、安らぎと潤いのあるまちづくりを実現する「彫刻のあるまち」として、市内外にPRするとともに、「秦野市文化芸術振興の在り方検討懇話会」の意見を踏まえ、本市の文化芸術を振興する新たな体制づくりを具体化していきます。

 
スポーツ活動の普及促進では、第20回記念大会となる「はだの丹沢水無川(みなせ)マラソン大会」や「全国女子中学生硬式野球選手権大会」などのイベントを通じたスポーツの推進に取り組みます。
 
スポーツ環境の充実では、学校施設に電子錠を導入し、体育施設開放での利便性の向上と教職員の負担軽減を図ります

名水の里の豊かな自然と共生し安全・安心に暮らせるまちづくり

 次に、「名水の里の豊かな自然と共生し安全・安心に暮らせるまちづくり」の施策です。
 ごみの減量と資源化の推進では、令和6年度から、はだのクリーンセンター1施設での可燃ごみ焼却処理体制が開始されます。今後の安定稼働に向け、更なる可燃ごみの減量を図るため、令和7年度の「プラスチック一括回収」による製品プラスチックの資源化と毎週の収集に向けた取組みを進めます。

 
持続可能な都市農業の推進では、新規就農者の就農促進や、認定農業者等中核的農業者の経営基盤強化に対する支援に引き続き取り組むとともに、地域の農業を次の世代に引き継いでいくため、目指すべき農地利用の姿を明確にした「地域計画」の策定を進めます。また、鳥獣被害対策として、より効果を発揮する手法やエリアを検討しながら、地域ぐるみの環境整備や防護柵による防除、多様な担い手を通じた捕獲等の各種対策を実施していくとともに、近隣自治体と連携した広域的な被害対策にも取り組みます。

 
暮らしの安心を支える消防・救急体制の充実では、複雑化・多様化する消防需要へ的確に対応するため、消防車両を更新するとともに、救急現場にICT技術を導入し、救急活動の効率化を図ります。また、派遣型救急ワークステーションの運用や高度な救急救命処置を行う救急救命士を養成するほか、応急手当の知識・技術の普及に努めます。

 
火災予防の推進としては、消防関係法令に基づく立入検査を重点的に実施するとともに、住宅用火災警報器の設置率向上を図り、火災による被害の軽減に努めます。

 
消防通信指令事務の効率的な運用としては、令和7年度からの伊勢原市との共同運用開始に向け、消防総合指令システム及び消防救急デジタル無線を整備し、消防業務の高度化及び効率化を図ります。

 
消防団施設等の充実としては、西田原地区の消防団車庫待機室の建替えと小型動力ポンプ付き積載車2台の更新に加え、災害対応する消防団員の個人装備品を更新し、地域防災力の強化を図ります。

 
地域の交通安全対策の充実では、引き続き、広く市民に交通安全教室を実施し、交通安全意識の向上を図るとともに、自転車ヘルメット購入補助制度の創設により、市内販売店の協力を得ながら、命を守るヘルメットの着用を促進します。

 
安心できる消費生活の支援では、高齢者やその見守りをする方を対象とした、消費者トラブルに関する啓発事業を定期的に実施するとともに、消費生活センターに寄せられる多様な相談に適切に対応するなど、引き続き、消費者の安全と安心を確保するための取組みを実施します。
 
また、市民相談の充実では、多様化する相談に対し、市民ニーズに応えるため、専門相談の開催回数を増やすなど、市民が抱える様々な問題の解決に向け、その糸口を見つけ出すことができるよう、相談体制の充実を図ります。

 
犯罪被害者等への支援としては、「犯罪被害者等支援条例」に基づく総合的な支援において、専門資格を有する相談員を配置するなど、相談体制の充実を図ります

住みたくなる訪れたくなるにぎわい・活力あるまちづくり

 次に、「住みたくなる訪れたくなるにぎわい・活力あるまちづくり」の施策です。
 
地域に愛される公園や緑地の創造では、公園やスポーツ施設の整備として、おおね公園のローラー滑り台の滑走部の改修や総合体育館の屋根改修を実施するなど、施設を適切に維持管理することで、利用者の安全性・利便性の向上を図ります。

 
地域を結ぶ公共交通ネットワークの確保・維持では、今年度策定する「秦野市地域公共交通計画」を踏まえ、多様化する移動ニーズに対応するため、福祉有償運送などの地域輸送資源の活用や、国が検討を進めるライドシェアなどの新たな仕組みも注視しながら、持続可能な公共交通施策を推進するとともに、人口減少や生活様式の変化などによって利用者が減少し、厳しい経営状況下にある乗合タクシー等の運行を支援します。

 
地域に根ざした活力ある工業の振興では、建築大工等の優れた技能や、丹沢の木々の魅力に市民が身近に触れる機会を提供し、市内建築関連産業の活性化や森林の持続可能な循環サイクルの構築につなげるため、「第40回全国削ろう会秦野大会」を開催します。

 
空家等の適正管理と活用では、啓発による空家の発生抑止に努めるとともに、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の改正により、所有者の責任が強化されたことを踏まえ、増加傾向にある空家の管理状況の把握と所有者への適切な指導を実施するため、実態調査及び意向調査を行います

市民と行政が共に力を合わせて創るまちづくり

 最後に、「市民と行政が共に力を合わせて創るまちづくり」の施策です。
 多様な担い手による協働の推進では、各種団体においては、担い手不足などの課題を抱えていることから、将来にわたり持続可能な地域コミュニティを維持・強化していくため、行事運営の在り方などの見直しに向けた取組みを支援します。
 
また、地域コミュニティのまちづくりの核となる自治会への若年世帯の加入促進を図るため、加入率の向上につながった事例等を情報共有するなど、自治会活動を見直す取組みを支援するとともに、引き続き、電子申請の活用による市への手続きの簡素化を図り、役員の負担軽減に取り組むなど、持続可能な活動に向けた取組みを進めます。

 
広報・広聴活動の充実とシティプロモーションの推進では、広報はだのやSNSなどの各種媒体の活用に加え、写真・動画コンテストの開催や市制施行70周年に合わせた広報活動などにより、「ふるさと秦野」への誇りと愛着を育む魅力発信の取組みを進めるとともに、市民等からの幅広い意見を聴取し、市政運営へ的確に反映します。

 
人権を尊重し多様性を認めあう社会づくりの推進では、「人権・男女共同参画に関する講演会」を開催するなど、市民団体等と連携して啓発活動を実施します。

 
適正かつ持続可能な行政運営の推進では、将来を見据えた市政運営の取組みとして、令和8年度を初年度とする総合計画後期基本計画の策定に当たり、検討組織を立ち上げるとともに、市民ワークショップの開催や地域まちづくり計画の策定への取組みなど、市民と「協働・連携」しながら、都市像の実現に向けた計画づくりを進めます。

 以上、私の令和6年度における市政に臨む基本方針と主な施策について述べました。この方針の下、「ふるさと秦野」の未来に向け、着実に歩みを進めるため、誠心誠意、取り組んでまいりますので、皆様の御理解・御協力をお願い申し上げます

このページに関する問い合わせ先

所属課室:政策部 総合政策課 政策調整担当
電話番号:0463-82-5101
FAX番号:0463-84-5235

このページに関するアンケートにお答えください

このページは見つけやすかったですか?
このページの内容はわかりやすかったですか?
このページの内容は参考になりましたか?