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はだの浮世絵コレクション【2023年1月~】

問い合わせ番号:16709-8274-1156 更新日:2023年5月25日

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 「はだの浮世絵ギャラリー」では、秦野市が寄贈を受けた浮世絵1,904点を順次、展示しています。

 より多くの皆様に、この浮世絵という貴重な文化芸術資源を知っていただくため、「はだの浮世絵コレクション」と題して、「広報はだの」とともに浮世絵作品紹介をしています。

「東海道五十三次之内 小田原 酒匂川」歌川広重

小田原

解説

 歌川広重の「東海道五十三次之内」は、街道の整備や流通による旅ブームにより、名所や名物を眺めて旅行気分を味わい楽しむなど、大変人気となりました。名所を描いた浮世絵は手軽な土産としても喜ばれ、広重は生涯で20種類以上の東海道シリーズを手掛け、世界に誇る風景画の代表となりました。

 この作品は再刻図とされていますが、評判を呼んだ作品は何度も摺られ版木が摩耗したため再度彫り直されたもので、背後の山や酒匂川を渡る歩行渡り(かちわたり)の人数が少し変わっています。

 画面の右上には箱根の山々、そのふもとには小田原城とその手前に広がる宿場が描かれています。小田原は江戸の防衛のため、幕府により酒匂川の架橋や渡船も禁止されていたので、人足によるかち渡しによって渡る方法しかありませんでした。

 江戸を出発した旅人は、戸塚あたりで一泊してから箱根の関所や難所の山道を前に、二泊目を小田原で宿泊し疲れを癒したので、宿屋も多く賑わったようです。

広報はだの令和5年5月1日号掲載

「当盛見立三十六花撰 五三の桐 真柴久吉」三代歌川豊国

解説

 「五三の桐」は、豊臣秀吉の家紋で、歌舞伎の『楼門五山桐(さんもんごさんのきり)』では、天下の大どろぼう石川五右衛門が、育ての父・武智光秀(明智光秀)の敵である真柴久吉(羽柴秀吉)の命をねらっているというあらすじです。幕府が実在の人物や事件を基にすることを禁止させていたので、名前を少し変えて登場させています。

 豪華絢爛な楼門の上で五右衛門が悠々ときせるを手にしている姿とは対照的に、真柴久吉は巡礼の姿で現れます。楼門の上から五右衛門が手裏剣を投げると、とっさに柄杓で受け止め、五右衛門とにらみ合うといった短い演目ですが、桜が咲き乱れる山門の上下で宿敵同士が対峙する「天地の見得」の場面は、浮世絵にも多く描かれ人気がありました。

広報はだの令和5年4月1日号掲載

「七伊呂波拾遺 一 一刻値千金 石川五右衛門」三代歌川豊国

解説

 七伊呂波拾遺(ななついろはしゅうい)には、外題の横に七つの書体で表した数が添えられています。
 
 その「一」石川五右衛門(いしかわ ごえもん)は、現代でもよく知られている安土桃山時代の盗賊で、京の三条河原で処刑されたといわれています。

 その盗賊がモデルとなって、義賊として釜煎りの刑に処せられたり、「絶景かな、絶景かな、春の眺めが値千金とは小さなたとえ」と、南禅寺山門で、悠々ときせるをふかして、満開の桜を楽しみながら語る台詞は有名です。

 手綱(たづな)形の太いきせるを持つ五右衛門の姿は、いかにも強そうです。

※広報はだの令和5年3月1日号に掲載予定でしたが、紙面の都合により見送りました。

「歌舞伎十八番 外郎 九世市川団十郎の虎屋東吉」寿雙々忠清

解説

 「歌舞伎十八番」とは、七代目市川団十郎によって、天保3年(1832年)に制定された初代から四代目までの団十郎が、初めて演じ得意としていた18の作品を集めたものです。

 享保3年(1718年)に二代目団十郎が扮した役で、「外郎」とは、忠が国から渡来し小田原で「透頂香(とうちんこう)」という名薬を売り出した人の名前です。

 この薬の行商人のことを外郎売といい、弁舌さわやかに売りたての口上の長台詞を言い立てる芸は見事です。
 
 「拙者親方と申すは、お立合いにも先達て御存じの方もござりましょ。・・・」で始まり、途中に「武具馬具ゝ三武具馬具、合わせて武具馬具六武具馬具」といった早口言葉が続きます。このように言葉の言い立てが面白く、楽しくてわかりやすい演目です。

広報はだの令和5年2月1日号掲載

「七福神の獅子舞」葛飾北斎

解説

 正月や祭礼に行われる獅子舞は、笛や太鼓、鐘などの囃子に乗って、獅子頭を被って舞う大変にぎやかなものでした。獅子が頭をかむしぐさをするのは、邪気を食べて疫病を退散させ、健やかに1念を過ごすことができるようにという願いが込められています。
 
 その獅子舞を七福神がそろってしているとは、とても縁起のよい摺物として喜ばれたのではないでしょうか。

 ※広報はだの令和5年1月1日号に掲載予定でしたが、紙面の都合により見送りました。

 

広報はだの令和5年5月1日号掲載

このページに関する問い合わせ先

所属課室:文化スポーツ部 文化振興課 文化交流担当
電話番号:0463-86-6309

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