広報はだの8月15日号 2面 No.1153 地域で考える 大根地区の新しい防災活動  「安全・安心・清々しいやさしいまち」を地域の将来像に掲げている大根地区。同地区自治会連合会会長を務める和田達蔵さん(68歳・南矢名)を中心に、地域の絆を大切にし、多様な人材や地域の知恵を出し合う、住民参加によるまちづくりに力を注ぐ。  地域連携の輪を広げようと開催される今年10月の防災フォーラムに向け、どのように取り組んでいるのだろうか。 地域連携の輪  学生街として活気にあふれる反面、自治会加入率が低く、いざというときの地域の連携に不安のあった大根地区。平成26年に市の総合防災訓練の本部会場になったことをきっかけに、前年に424人だった参加者数を2000人まで増やす大きな目標を掲げ、「おおね いいね みんなでね」を合言葉に、地域の防災力の向上に取り組んできた。23の単位自治会が連携して、開催会場を広畑小学校、大根小・中学校の3カ所に増やし、それぞれ独自の訓練を実施。また、アイデア会議や地域リーダー養成講座の開催など、参加者を集めるために工夫を凝らした。  その取り組みが実を結び、防災訓練当日は、目標を超える2300人以上が集まり、「地域の方と力を合わせ、支え合っていくことが必要だと強く感じた」といった声が寄せられた。  この活動は、その年の10月、地方自治体の首長や地域を支える市民活動の先進的な取り組みを表彰するマニフェスト大賞で、全国2223件の応募の中から見事「最優秀復興支援・防災対策賞」に選ばれた。防災訓練をテーマに住民、教育施設、地域施設を巻き込み、地域の絆を深めたことが全国的に認められた瞬間だった。 話し合う大切さ  こうして高まった防災意識をさらに継続させていこうと、昨年からは防災フォーラムを開催。今年は10月に開催を予定している。  「防災訓練とは異なり、災害時に必要な取り組みについて具体的に話し合うことを大切にしています」 と話すのは長年自治会に携わり、今年の防災フォーラム実行委員会の委員長を務める髙橋榮一さん(78歳・南矢名)。防災フォーラムを前に、今年6月の意見交換会では、市民が主体となり、自治会長をはじめ、民生委員、学生、消防団、障害者などさまざまな立場や年齢の住民約110人が参加し、意見が交わされた。  「これまでの防災活動は、シニア世代が中心だったため、視野が狭くなりがちでした。しかし今回は、若い人たちの意見を聞けてよかったですね」  と髙橋さん。そこから生まれたのは、新たな「気付き」だ。  「一番の収穫は、話し合うことで、困っていることのほとんどが解決できると分かったこと。何をしなければならないかが自然と浮かんでくるんです」 と防災意識の向上を髙橋さんは実感する。 これからの防災  「高齢者や障害者など弱い立場の人を災害時どう救済するか」を今後の課題としている大根地区。  「地域の特徴や人材などの宝をどう活用するかが、非常に大事だと思っています」 と実行委員を務める吉田和史さん(67歳・南矢名)は語る。その「地域の宝」の一つが若者の力だ。  「ツイッターなどのSNSを防災のツールにして災害時に役立つ情報の発信をしていきたい。スマートフォンを活用すれば防災に役立てられると思うんです」  今年の防災フォーラムでは、防災システム研究所の山村武彦氏の講演に加え、秦野高校による東日本大震災の被災地視察の報告や東海大学の教授による熊本地震の調査報告も行われる。また、今年は意見交換会の結果発表も行われる。  「さまざまな世代に積極的に参加してほしい。意見交換会では若い人の意見が大きな役割を果たすと実感したんです。多くの人を地域の連携の輪に巻き込んでいきたいです」  フォーラムに向けて活発に行われる意見交換や机上訓練。新しい防災活動に吉田さんは大きな期待を抱いている。 付箋で全員が意見を出し合い共有 「いかに災害発生に早く対応するか」の講演を熱心に聴く参加者 熱い思いを語る髙橋さん(左)と吉田さん ご参加を 総合防災訓練 水筒の用意など熱中症対策をして、参加しましょう。 と き 8月28日㈰ 午前9時(防災行政無線と緊急情報メールで、訓練の開始をお知らせ)~正午 ところ 自治会避難場所、市内小・中学校などの広域避難場所 緊急情報メールに登録を 防災訓練の発災の連絡ほか、火災、防災、防犯、行方不明者の捜索などの情報を提供します。 登録方法 hadano@entry.mail-dpt.jpに空メールを送信し、返信されるメールに従って手続きをしてください。また、右のQRコードからも、空メールを送信できます 問い合わせ 防災課☎(82)9621 ご支援ありがとうございました 平成28年熊本地震災害義援金 4月18日〜7月15日 寄付された方(敬称略、受付順) タカナシ牛乳秦野曲松直売店 南が丘着付サークル 渋沢着付け同好会 (福)常成福祉会 中央労働金庫秦野支店推進幹事会 本町小学校児童会 子どもまつり実行委員会 秦野美術協会絵画部 渋沢共有地管理組合 昭和28年度卒秦野市立南小学校同窓会一同 在秦野ラオス人会 渋沢中学校生徒会 秦野市子ども会育成連絡協議会 西上地区体育協会 東地区体育協会 本町地区体育協会 秦野囲碁同好会 南地区体育協会 北地区体育協会 大根鶴巻地区体育協会 西湘イベント商業協同組合秦野伊勢原支部 秦野市商工まつり実行委員会 明治大学校友会秦野地域支部 秦野商工会議所 下大槻青年会 秦野市消防団 秦野市明るい社会づくりの会 秦野商工会議所女性会 問い合わせ 地域福祉課☎(82)7392 自治会に加入しましょう 大規模災害で頼りになるのは、「遠くの親戚よりも近くの他人」 問い合わせ 市民自治振興課☎(82)5118