西地区
泉蔵寺
 泉蔵寺は1481年<文明13>に開かれた寺で、1649年<慶安2>8月に徳川家光から寺領13石の朱印を受けている。本堂は江戸時代中期の建築である。堂内には、平成15年に秦野市指定重要文化財となった鎌倉時代後期から南北朝時代の作とされる石造十王像が安置されている。十王とは死後の世界において罪業(ざいごう)を裁く10人の王であり、閻魔王(えんまおう)が有名である。古来は、明治初期に廃寺となった千村東泉寺十王堂にあった石仏だった。
 泉蔵寺は「東国花の寺百ヶ寺」に選ばれ、4月はチューリップ祭りが催される。墓域には1874年<明治7>造立(ぞうりゅう)の20世覚仙、1852年<嘉永5>に死去した谷順貞(じゅんてい)など3基の筆子塚が確認されている。