太岳院(たいがくいん)は、薬師堂であったものを、1541年<天文10>今泉村の土豪(どごう)であった小林氏が、蔵林寺3世を招いて開いた寺である。明治初期に廃寺となった今泉村千手院(せんじゅいん)の千手観音菩薩(かんのんぼさつ)像と同村観音堂の十一面観音像が当寺に納められた。この十一面観音像は、一木造りで平安時代後期の作とされている。1971年<昭和46>に秦野市の重要文化財に指定された。この2つの観音像を納めた太岳院は、相模新西国霊場三十二番、三十三番札所となっている。
 太岳院前の池には「竜と娘」の伝説がある。池の主の竜が娘に恋をしたが、正体を知られた竜は洪水を巻き起こし、娘をさらっていった。そのとき竜の尾が触れた所が今の尾尻だという。
南地区
太岳院(たいがくいん)