震 生 湖
 1923年<大正12>の関東大地震により、渋沢丘陵の山林及び畑の一部が幅250mにわたり馬蹄形(ばていけい)に崩壊した。その土砂が市木沢をせき止め、そこに周辺より湧出する地下水が溜まって、日本で最も新しい自然湖の一つが誕生した。周囲約1km、最大水深10m<平均水深4m>の震生湖には、モツゴ・コイ・ゲンゴロウブナ<ヘラブナ>・ブラックバスなどの魚が生息している。また、周辺では1年を通して、約50種類の野鳥、約100種類の野草が見られる。自然豊かな湖畔には、多くの観光客が訪れている。
 東京帝国大学地震研究所の寺田寅彦は、1930年<昭和5>9月に2度調査に訪れた。その際、詠んだ俳句3句のうちの1句が「山さけて 成しける池や 水すまし」である。この句碑は1955年<昭和30>9月1日に建立(こんりゅう)された。平成3年度「かながわ探鳥地50選」の場所である。
寺田寅彦の句碑
南地区