南小学校の
夕暮歌碑と弥生式土器
南地区
 南小学校の校庭東側にあるこの歌碑には、「自然がずんずん体の中を通過する山、山、山」という前田夕暮の自由律短歌が刻まれている。この歌は、1929年<昭和4>に飛行機で丹沢山麓(さんろく)の上を飛んだ時に詠んだ歌の一つである。歌碑は太平洋戦争で戦死した人の遺族が、50回忌の供養(くよう)にあたり、母校へ寄贈(きぞう)したものである。 
 平沢の南開戸、北開戸、同明、畑中の広い地域に展開する平沢遺跡からは、縄文時代初期から室町時代までのたくさんの土器などが出土している。この辺りは秦野盆地の扇状地の南端にあって、近くに多くの湧水が見られる地域である。1948年<昭和23>に北開戸で出土したこの弥生式壺形土器(やよいしきつぼがたどき)は、縄文時代の特徴を色濃く残した土器である。南小学校に保存され、1965年<昭和40>に秦野市重要文化財に指定された。