本町地区
前田夕暮歌碑
 権現山の山頂には、秦野市出身の歌人である前田夕暮の歌碑がある。
 生くること  かなしと思ふ山峡(やまかい)は  はだら雪ふり  月照りにけり
「この山峡にぼたぼたと雪が降っているのを寒月(かんげつ)が凄(すご)いまでに照らし出している。それを見ていると生きていくことがせつなくいとおしく思われることだ。」の歌意で、1946年〈昭和21〉の作品である。1951年〈昭和26〉に、秦野高校創立25周年記念の一つとして、歌碑建設が行われたという。すでに病の床についていた夕暮は、歌碑は必ず富士山のよく見える所に建ててもらいたいと、注文したと言われている。碑の発案や運搬などは、秦野高校の生徒会の手によって行われた。