広報はだの8月1日号 4面 広島で知る「平和」な日々  8月15日を「秦野市平和の日」と定めてから8年。毎年訪れるこの日を、この意味を、大切な人と一緒に考えたい。「平和」ってなんだろう。 見なければ分からなかったこと  8月6日、9日、そして15日。どの日も戦争を語るうえで決して忘れることのできない日だ。  悲惨な経験を忘れることなく、その事実をしっかりと受け止めながら平和への思いを深められるよう、本市ではさまざまな事業を行っている。原爆の被災地を訪れ平和を学ぶ「親子ひろしま訪問団」も、こうした取り組みの一つ。  「私自身、周りに戦争体験者がいなくて、こうした話を聞く機会がありませんでしたので、いつか息子が大きくなったら一緒に参加したいと思っていたんです」  戦後70年の節目となった昨年、小泉由子さん(今泉・50歳)は、息子の藍生さん(南小6年)と訪問団に参加した。  訪問団では、同じ思いを持つ4組の親子と3日間を共にした。藍生さんは、広島で何が起きたのか、原爆とは何なのかを事前によく調べて、訪問団に臨んだ。平和記念式典を挟んだ3日間、新しい友人と、平和の尊さを考え続ける時間を過ごした。  「いろいろなことを勉強して、原爆の怖さを知ったつもりでいました。でも、実際に広島で原爆ドームを見たとき、どんなに恐ろしいことが起きたのかを思い知らされました。想像以上でした」 と、現地で平和記念資料館や原爆ドームを見学した藍生さんは振り返る。  また、「被ばく語り部」増岡清七さん(広島市・85歳)の体験談を聞いた由子さんは、戦争当時の様子を我が身に置き換えて、母の目線で語る。  「増岡さんの体験談を聞くと、今の平和を実感します。原爆投下から数日後、まだ小さかった増岡さんがご家族と再会した時の様子を聞くと、本当に心が痛みます。親子を写した写真をたくさん見ましたが、どれも我が子を胸に抱いて必死に守っているんです。私も母親として同じようにしたと思います。実際に見なければ分からないものが広島にはあります」 訪問団に参加した小泉由子さんと藍生さん 昨年の親子ひろしま訪問団 被爆の体験を語る増岡さん 平和を知り、引き継ぐために  広島での経験を胸に、昨年カルチャーパークで行われた被爆2世のアオギリとクスノキの植樹に親子で参加した。今年はピースキャンドルナイトの実行委員も務める。  「戦後80年の平和記念式典には、訪問団の友人と一緒に参加しようと話しています。最近、世界各地でテロなどが起こっていますが、このメンバーなら平和を願う気持ちは絶対に変わりません」 と口をそろえる。  今という平穏な日々の中にあっては感じ難い「平和」。過去の傷痕を学ぶことで、平和を強く感じることができる。一年に一回訪れるこれらの日を、大切な人と一緒に考えてみたい。 植樹された被爆2世アオギリ 秦野市平和都市宣言  私たち秦野市民は、平和への限りない願いをこめて「平和を愛する市民のまち、それは私たちの誇りです。」と市民憲章に定めた。  私たちの責務は、この精神にのっとり永遠の平和を希求し、愛する郷土を守り次代へ引き継いでいくことである。  しかし、武力紛争は世界各地で絶え間なく続き、際限のない軍備拡大と核兵器の増強は、人類の生存に深刻な脅威を与えている。  世界の恒久平和は、すべての人々の切なる願いである。私たち秦野市民は、国際平和年に当たり非核三原則を堅持するとともに、永久の平和とあらゆる国のあらゆる核兵器の廃絶を願い、ここに「平和都市」を宣言する。 昭和61年3月27日制定 秦野市 平和の日  私たち秦野市民は、永遠の平和を希求し、愛する郷土を守り引き継いでいく精神をうたった秦野市民憲章と秦野市平和都市宣言の理念の下に、一人ひとりがそれぞれの信条や立場を越えて、平和についてともに考え、語り合うことにより、平和への願いを未来に向け継承していくため、ここに「秦野市平和の日」を制定します。 秦野市平和の日 毎年8月15日 平成20年6月9日制定 戦没者の冥福と恒久平和を願い 一分間の黙祷を 広島平和記念日  8月6日㈯ 午前8時15分 長崎原爆の日  8月9日㈫ 午前11時2分 終戦記念日  8月15日㈪ 正午 秦野市平和の日事業 ピースキャンドルナイト とき 8月13日㈯ 午後5時半~8時半 ※雨天のときは14日㈰ ところ 文化会館 内容 ▽ピースキャンドル平和行進(午後5時半平和祈念公園~6時文化会館) ▽ピースキャンドル点灯式(午後6時) ※サテライト会場の鶴巻温泉弘法の里湯でも点灯します 平和の祈りを込めて 平和の日のつどいコンサート とき 8月13日 午後6時半~8時半 ※雨天のときは14日 ところ 文化会館 内容 楽器演奏、歌や踊りなど 平和パネル展 とき 8月13日~15日㈪ 午前9時半~午後5時(13日は午後8時半まで) ところ 文化会館 内容 広島・長崎原爆被害パネルの展示、劣化ウラン弾被害パネルの展示、平和DVDの上映、戦争体験談語り場など 熊本地震の義援金の寄付  多くの自治会員の皆さまのご協力により、秦野市自治会連合会から1797万103円の寄付をいただきました。  お預かりした義援金は日本赤十字社神奈川県支部秦野市地区を通じて寄付しました。ありがとうございました。 問い合わせ 市民自治振興課☎(82)5118 戦没者追悼平和祈念式典  戦没者の冥福と恒久の平和を祈って、開催します。 と き 8月5日㈮ 午前11時~正午 ところ 文化会館 戦没者遺族へ特別弔慰金を支給します 対  象 戦没者などの死亡当時の遺族で、平成27年4月1日時点で公務扶助料や戦没者に関する遺族年金などを受ける方がいない遺族のうち1人 支給額 5年償還の記名国債(額面25万円) 締め切り 平成30年4月2日 問い合わせ 地域福祉課☎(82)7392