広報はだの3月1日号 3面 いつか必ずやってくる その日のために  「あっ、地震だ」。走る不安と緊張。しかし、揺れが収まると同時に、その感覚は忘れてしまいがちだ。  東日本大震災から5年。今一度、防災意識を高めてもらおうと、日々地震と向き合う専門研究員に話を聞いた。  丹沢でも地震は起きている 「体感できないものがほとんどですが、神奈川県の周辺では月に約100回、1日2〜3回は起きていることになるんですよ」  データ画面を指しながら話すのは、「県温泉地学研究所」の専門研究員、板寺一洋さん。震度1以上の地震だけが地震ではないと強調する。  県内の地震は箱根火山と丹沢大山に集中する。研究所では、箱根町周辺の10カ所と伊勢原市、中井町、松田町、山北町の4カ所に置かれた地殻変動計測器から届くデータを基に毎日、観測をしている。このデータによると秦野付近でも日常的に地震が起きていることが分かるという。研究所では取りまとめたデータを月1回市町村や防災関係機関へ情報提供し、ホームページに公開している。  また、県のホームページでは各地区の被害想定の調査結果(e-かなマップ)を公表。予測されている南海トラフ巨大地震で、本市は市街地で震度5強、山間部では震度5弱とされている。関東大震災をモデルにした「大正型関東地震」の場合、揺れはさらに大きく、本市の約半分は震度7で「壊滅状態」になる可能性もあるという。 「まずは、地震に関心を持ってください。今まで地震に対する認識が低かった人も非常食などの準備をしようと考え始めると思います」  地震の現状や想定される被害状況を知ることは、防災意識の向上につながると板寺さんは確信している。  備えることが生死を分ける  地震対策としてまず、何をしたらいいのか。 「平成7年の阪神・淡路大震災では、亡くなられた方の8割近くが家具などによる圧迫死でした。多くの尊い命が奪われることは本当に残念です」  神妙な面持ちで語る板寺さんは、家具の固定や棚の補強など日頃の備えの重要性を訴える。重い荷物を低い場所に移すだけでも被害が小さくなるという。その他、重要なのは地域との助け合い。 「自分の避難所を確認した上で地域の防災訓練に参加することは、近所と顔の分かる関係を築く意味でも大切なんですよ」  日頃の付き合いが精神的な支えにつながるそうだ。  最後に板寺さんは、 「大地震が起きたら、必ず揺れが収まるまで待ってから行動してください」 と警告する。慌てて室内から外へ出ようとしてけがをする人が多いからだ。また、電気のブレーカーを必ず落とすことも付け加えた。通電して火災になることがあるという。  地震は人間の手では止められない不可抗力な自然現象。しかし、日頃の備えが生死を左右すると言っても過言ではない。今すぐ、できることから実践してほしい。 東日本大震災で地割れした市内の駐車場 今すぐできる 家庭内での地震対策 家具などの転倒防止を  L字型金具で固定しましょう。家具の上部に突っ張り、下部にストッパーを設置する方法もあります。 ガラス飛散防止フィルムの装着を  地震や台風の衝撃を受けたガラスは鋭い破片となって飛び散り、避難時にけがをする危険性もあります。 防災アドバイザーを派遣 一人暮らしの高齢者などを訪問して、家具転倒防止器具の設置作業を手伝います。 ※器具の購入費用は個人負担 問い合わせ 防災課☎(82)9621 3月1日~7日 春の火災予防運動 ◇住宅用火災警報器を設置し、10年を目安に交換しましょう ◇初期消火に役立つ、住宅用消火器を置きましょう ◇放火防止のため、家の周りを整理整頓しましょう 問い合わせ 予防課☎(81)5240 平成28年度 当初予算の編成状況  平成28年度の一般会計予算案は、497億7000万円で、前年度と比較して8億9000万円増えています。水道事業・公共下水道事業の企業会計、3つの特別会計の予算案は下表のとおりです。これらの予算案は、2月25日に開会した市議会第1回定例会で審議されます。詳しくは、広報はだの4月1日号でお知らせします。 会計区分 平成28年度 平成27年度 当初予算 前年度予算 との比較 最終予算案 当初要求額 当初要求額 との比較 一般会計 497億 7000万円 519億 6421万円 −21億 9421万円 488億 8000万円 8億 9000万円 企業会計 水道事業 31億 4800万円 31億 4800万円 - 32億 7900万円 −1億 3100万円 公共下水道事業(新設) 73億 3223万円 72億 6870万円 6353万円 - 73億 3223万円 特別会計 国民健康 保険事業 213億円 211億 9700万円 1億 300万円 226億 5600万円 −13億 5600万円 介護保険 事業 110億 9900万円 115億 1955万円 −4億 2055万円 107億 6700万円 3億 3200万円 後期高齢者医療事業 19億 6100万円 20億 2000万円 −5900万円 17億 6700万円 1億 9400万円 下水道事業 (廃止) - - - 74億 1000万円 −74億 1000万円 計 946億 1023万円 971億 1746万円 −25億 723万円 947億 5900万円 −1億 4877万円 ※企業会計の予算額は、総支出額から減価償却費などを除いた額で表示 ※金額の端数を四捨五入し、全て万円単位で表示 問い合わせ 財政課☎(82)5116 ご支援ありがとうございました 東日本大震災義援金  平成27年2月1日から28年1月29日までに受け付けた義援金は、290万8634円でした。団体の皆さまのご芳名を掲載します(敬称略)。 被災地に対する義援金  県自動車整備振興会秦野・伊勢原支部、桜町自治会ボランティアの集い、秦野高校吹奏楽部、中央労働金庫秦野支店推進幹事会、市中学校生徒会、市体育協会大根・鶴巻支部、秦野美術協会、本町小学校PTA、はだの民謡フェスティバル実行委員会、北中学校生徒会、戸川中自治会、大根やきもの同好会、市少林寺拳法協会、市民の日運営委員会、タカナシ牛乳秦野曲松直売店、日産車体㈱(遊more!秦野実行委員会、係長会、工長会) 問い合わせ 地域福祉課☎(82)7392