◯2面・3面 広報はだの 平成26年(2014年)12月1日 2 3 平成26年(2014年)12月1日 広報はだの ともに生きる  12月3日から9日までは、障害者への理解と関心を深める障害者週間。今号では、障害者を支援するため活動している人たちの思いを紹介します。 大きな文字の優しい本  「文字はもう少し大きくしたほうがいいかな」「この写真は左に寄せた方が見やすそうね」保健福祉センターの会議室で、5人の女性が熱心に作業をしています。机の上にあるのは、大きな文字の拡大写本。  拡大写本とは、視覚障害者の中でも弱視の人のため、一般の本を、読みやすい大きな文字で作り直したものです。作製しているのは「市拡大写本赤十字奉仕団」。現在、16人の団員が、利用者からの要望に応じて、教科書や小説などの拡大写本を作っています。 「弱視の方の見え方は、一人一人異なります。文字の大きさや、行間の幅、1行の文字数、文字の色などを、利用される方の見え方に合わせて作っています」 と話すのは委員長の大江昌子さん(63歳・二宮町)。主にパソコンで作製していますが、手書きの方が読みやすいという人には、その要望にも応じるそうです。 「利用者が子供だと特に大変です。子供は拡大写本で字を覚えますからね。トメやハネなどが正確な字を書かなければいけないので」  笑って話す大江さん。団員の細やかな配慮が、利用者に優しい拡大写本を生み出しています。 読める喜びを届けたい  市拡大写本赤十字奉仕団が設立されたのは、昨年6月。「市点訳赤十字奉仕団」の拡大写本係が独立してできたものです。 「もちろん点訳は大切で、視覚障害者にはなくてはならないものですが、病気や事故で見えにくくなった中途視覚障害者には、点字が読めない人も多くいます。そういう人たちのためにも、活動を広げたかったんです」  大江さんは独立への思いを口にします。利用者の青木ふさ子さん(70歳・渋沢二)も、点字が読めない視覚障害者の一人。青木さんは、10年以上前から趣味のコーラスで使う歌詞の拡大写本を利用しています。 「症状が悪化して、歌詞が読みにくくなったときは、コーラスを辞めようかと思いました。こうして続けられているのも、拡大写本のおかげです」  出来上がったばかりの歌詞をうれしそうに見つめる青木さん。来年2月には、鶴巻公民館で歌を披露するそうです。 「利用者に届けたいのは、視覚障害者でも、自分の目で読めるという喜びなんです」  感謝する青木さんの横で、照れくさそうに話す大江さん。視覚障害者の生活を少しでも豊かにするため、これからも大江さんたち団員は、活動を続けていきます。 患者が患者を救う  「透析患者は、見た目では障害者だと思われにくい。でも、日々の生活は苦労の連続なんです」 と話すのは、市内で透析患者の送迎をしているボランティア団体「ゆりの会」の代表を務める、小清水那男さん(66歳・清水町)。実は小清水さん自身も透析患者。自分より症状の重い患者を助けようと、通院先のケースワーカーと協力し、平成8年に会を立ち上げました。  透析患者は、腎臓の機能が低下しているため、体内に有害な物質がたまります。それを人工的に排出する透析治療は、体に大きな負担を強いるといいます。 「体調の悪さに加えて、副作用の頭痛や吐き気で平衡感覚がなくなる。治療した後こそ一番大変。一人じゃとても動けないよ」 と小清水さん。同じ患者だからこそ、その辛さが身に染みて分かります。大半が、最も重度の身体障害者1級だという透析患者。週に3日は通院しないといけないため、移動の手段はとても重要です。 全ては会話から  ゆりの会には、現在約40人の運転手が在籍し、それぞれ自分の車で、患者を病院や診療所に送迎しています。福祉業務の経験は必要なく、主婦や元タクシー運転手など、その経歴はさまざま。入会して8年目の橋本クニ子さん(64歳・戸川)は、病気の姉と病院のロビーで目にした、会員の姿がきっかけだったそうです。 「患者とすごく楽しそうに会話する人がいたんです。医者でも家族でもないのに、一目で分かる親切な振る舞いも、とにかく印象的でした」  度々見かけるその人に、思わず声をかけてしまった橋本さん。その人は、現在、副代表を務める榎本芳男さん(67歳・曽屋)でした。 「他人と会話をする機会が少ない患者は多い。心の癒やしになるし、安全な送迎にもつながるんです」  そう話す榎本さんの主な業務は、送迎の予定管理。患者が予約をするときには、よく世間話もします。そこから引き出すのは、他人に遠慮がちな患者の「体調の本音」。それを、担当する運転手に、こと細かに伝えます。3年ほど前から送迎を利用している大澤清美(56歳)さんは、 「どの会員の方も話しやすいし、ボランティアとは思えない『きめ細かな優しさ』がある。心も体も支えられていますよ」 と感謝の思いを口にします。 距離感と立ち位置  「活動を続けていると、気持ちが前のめりになりがち。でも、資格を持たない私たちが手をかけすぎると、かえって患者を危険な目に遭わせてしまうかもしれない。大切なのは、『優しさの距離感』です」 と会員は口を揃えます。また、人手不足も大きな課題。一方で、食生活の変化や高齢化などで、透析患者は年々増え続けています。 「私たちボランティアは、あくまでも地域福祉のサポート役でいてこそ、力を発揮できる。有償の福祉サービスなどが中核として、より機能していくことが理想です」  小清水さんは複雑な表情で、切実な思いをにじませます。  障害の種類や程度はさまざま。弱視の人や透析患者など、一見するだけでは、障害者だと分からない人もいます。しかし、私たちが感じていないところで、不便や苦労を感じながら生活しているかもしれません。誰もが生き生きと暮らせる、真の共生社会を実現するため、障害者の生活環境を、身近なものとして考えてみてください。 問い合わせ 障害福祉課☎(82)7616 レイアウトなどを話し合う大江さん(中央)と団員 拡大写本(左)と一般の本(右) 完成した拡大写本を眺める青木さん 送迎の予定を確認する小清水さん 利用者の乗車を手伝う橋本さん 笑顔で利用者と話す榎本さん(左) 入選・入賞おめでとう 夕暮記念こども短歌大会  2084首の中から、次のとおり優秀作品が決定しました(敬称略)。 小学生の部 秦野市長賞 大野公輝(南が丘小5) えんがわで祖母とならんでお茶をのむ いのちわきたつしぜんの中で 中学生の部 秦野市長賞 村川敦哉(北中1) 次くるぞ高まる鼓動落ち着かせ 絶対とるぞ自己新記録 問い合わせ 図書館☎(81)7012 親子川柳大会  5回目の今回は、1059点の中から、116点の入選が決定しました。入賞者は次のとおりです(敬称略)。 ▽親子川柳大賞 竹中翔(本町小3) ▽ハートフル大賞 石田桃ノ介(大根中2) ▽ベスト親子大賞 多田あかね(末広小1) ▽特別賞 斉藤琴音(東小4) 佐藤奏海(西小4) 外種子田奏詩(南小2) 進藤沙夜(南小4) 髙橋優花(北小3) 山田康成(上小4) 松田和樹(渋沢中1) 渋谷侑菜(南小6) 問い合わせ 生涯学習課☎(84)2792 こども絵画コンクール  アメリカ合衆国パサデナ市との姉妹都市提携50周年を記念して開催。入賞者は次のとおりです(敬称略)。 ※12月16日(火)~26日(金)に市役所1階ロビーで入賞作品を展示 ▽小学校低学年の部 金賞 佐藤弘明(堀川小3) 銀賞 中野花菜(渋沢小1) 銅賞 石井咲楽(上小3) 佳作 生方虹太(渋沢小2) 加藤優芽(南小2) 橋口葉(東小1) ▽小学校高学年の部 金賞 陣内悠星(南が丘小5) 銀賞 原萌々花(堀川小6) 銅賞 飯田遥斗(末広小6) 佳作 石田藍琉(鶴巻小5) 鈴野莉々(鶴巻小5) 林佑茄(南が丘小4) ▽中学生の部 金賞 加藤潤也(西中2) 銀賞 吉田彩乃(南中3) 銅賞 土屋未来(西中2) 佳作 榎本咲蘭(西中2) 小泉茉由(本町中3) 丸山陽大(西中1) 問い合わせ 市民自治振興課☎(82)5118 人権作文・ポスター・標語  受賞者は次のとおりです(敬称略)。 ▽全国中学生人権作文コンテスト 厚木人権擁護委員協議会入選 左右田絢子(本町中3) 柳川聖也(南中3) 伊藤千尋(東中3) ▽中学生人権ポスター 厚木人権擁護委員協議会優秀賞 吉田このみ(渋沢中2) 平野紗弓(大根中2) ▽小学生人権を考える標語 優秀賞 桑名流空(本町小6) 前田陽菜(南小5) 中森智也(南小5) 吉田脩人(南小6) 高橋陽南(南小6) 杉本碧泉(東小5) 大久保沙菜(東小6) 清田廉仁(北小5) 小宮愛華莉(北小5) 山﨑佳歩(西小6) 飯塚誠也(上小5) 和田未帆(上小5) 髙ひな(上小6) 野澤結衣(渋沢小5) 小山田圭冶(末広小6) 岩永林太郎(南が丘小6) 木部桃香(南が丘小6) 成澤弥優(南が丘小6) 泉川花凜(堀川小6) 松本優李(鶴巻小5) 問い合わせ 人権推進課☎(82)7618 盛り上げよう 障害者週間のイベント  障害者の活動を知り、交流できるイベントを開催します。家族や友達と一緒に、ぜひ参加してください。 大道イルミネーション・フェスティバル 大人気のイルミネーションオブジェ  市内の障害者施設や地域の商店会、自治会、子供会が協力して制作した、イルミネーションオブジェをお楽しみください。 と き 12月6日(土)~25日(木) 午後4時半~8時 ところ さかえちょう公園(栄町9−14) 6日にイベントを開催 ◇正午~ 模擬店などの出展 ◇午後1時半~ 地元ブラスバンドなどの演奏やダンスの発表 ◇4時45分~ イルミネーションの点灯式 ※荒天中止 東海大学駅前フェスタ 息の合った踊りを披露 と き 12月13日(土) 午前11時~午後5時 ところ 東海大学前駅駅前広場(駅南口) 内 容 障害者施設などの製品販売・作品展示、模擬店、地元音楽教室によるクリスマスライブなど 販売品 パン、クッキー、マドレーヌ、シフォンケーキ、ラスク、ミカン、手芸品、アクセサリーなど 問い合わせ 障害福祉課☎(82)7616 第3回はだのブランド認証品が決定 ① ② ③ ④  秦野ならではの魅力ある商品を全国に広め、地域のイメージを高めようと始めた、はだのブランド「みっけもん秦野」認証制度。第3回の認証品に次の4点が選ばれました。 認証品 ①秦野ピーナッツバター ②十割生丹沢そば ③秦野産杉 地球儀型行燈 ④秦野萌酒 白笹鼓いなり 事業者 かまか商店 石庄丹沢そば茶屋本舗 佐藤建具工房 日動計画デボンポート 問い合わせ 商工課☎(82)9646 来年度の受け付けを開始 保育所・児童ホーム 保育所・こども園 対象 保護者が仕事や病気などで、昼間に保育ができない未就学児童 申し込み 支給認定申請書兼入所申込書、入所判定調査票、就労証明書、申立書(いずれも市役所2階保育課、市ホームページにあります)など、保育ができないことを証明する書類(申立書は就労希望などで申し込む方のみ)を、12月19日(金)までに保育課へ持参 ※平成26年1月1日現在の住所が市外の方は、その市町村民税の課税資料も必要。市外の認可保育所を希望する方は、希望する市町村の申込期限の7日前までに、本市保育課へ 利用料 保護者の所得により決定 児童ホーム 対象 保護者が仕事や病気などで、昼間に保育ができない小学1~4年生 申し込み 入室申込書、児童調査票、就労証明書(いずれも保育課、公民館、駅連絡所、市ホームページにあります)、医師の意見書など、保育ができないことを証明する書類を、12月19日までに保育課へ持参 利用料 月額5000円 ※減免制度あり。別途、おやつ代や保険料などが掛かります 注意事項 ▽対象は平成27年4月1日時点の児童 ▽申請期間中は土曜日も受け付け ▽入所・入室は書類審査で決定 ▽書類に不備があったり、定員を超えたりしたときは入所・入室できないことがあります  問い合わせ 保育課☎(82)9606