気道異物の除去
問い合わせ番号:10010-0000-0959 更新日:2023年8月15日
食物などの異物が口などに詰まった場合の処置
異物(食物、吐物、血液など)が口の中や喉などに詰まっている状態が、強く疑われる場合における異物の除去方法。
傷病者に反応(意識)がある場合
喉に物を詰まらせて苦しがっている人の特徴として、自分の首を絞めるような仕草をしています。これを「チョークサイン」と言いますが、このような方を見かけたらすぐに「どうしたんですか?喉に何か詰まったんですか?」などの声をかけてあげてください。声が出せずにうなずくようであれば、ただちに救急車の要請をして、次の2つの方法で異物の除去を試みます。
傷病者が咳をすることが可能であれば、できるだけ強い咳を続けさせてください。咳ができれば、異物の除去に最も効果的です。
腹部突き上げ法(ハイムリック法)
腕を後ろから抱えるように回します。そのとき傷病者の股の間に自分の片ひざを入れ、しっかりと傷病者の体重を支えます。途中で意識がなくなり転倒すると大変危険です。
次に片手で握りこぶしを作り、その親指側を傷病者のヘソとミゾオチの間に当てます。
そのこぶしをもう一方の手で握り、すばやく手前上方に向かって圧迫するように突き上げます。これを何度も繰り返します。
注意点
妊婦(明らかに下腹が大きい場合)及び、1歳未満の乳児には、腹部突き上げ法は行ってはいけません!(背部叩打法のみを実施)
背部叩打法(はいぶこうだほう)
傷病者の頭を胸より低くして、手の付け根で肩甲骨の間を力強く何度も連続してたたきます。
傷病者がいつ気を失ってもいいように体をしっかり支え、転倒の対処ができるようにしておいてください。
背部叩打法には、側臥位(横向きに寝かせた状態)の他に、座位(座った状態)や立位(立った状態)による方法もあります。
横になっている、あるいは座っている傷病者が自力で立ち上がれない場合は、背部叩打法を行います。
傷病者に反応(意識)がない場合
反応がない場合、あるいは応急手当を行っている途中にぐったりして反応がなくなった場合には、傷病者を仰向けに寝かせて心肺蘇生法を行います。
まだ119番通報をしていない場合は通報をし、AEDが近くにあるとわかっていればAEDを取りに行ってから心肺蘇生法を実施.します。
心肺蘇生法を実施中、口の中に異物が見えたならば、異物を取り除きますが、見えなければ異物を探すことに時間を費やすことはせずに心肺蘇生法を繰り返します。
乳児・新生児に対する異物除去
乳児(1歳未満)に対する異物除去の方法は、背部叩打法と胸部突き上げ法(足側高位にした胸骨圧迫)となります。
1歳未満の乳児・新生児について、腹部突き上げ法(ハイムリック法)は行ってはいけません!
反応がある(刺激に反応する)場合
背部叩打法(はいぶこうだほう)は、救助者の片腕の上に乳児をうつぶせに乗せ、手のひらで乳児の顔を支えながら、頭部が低くなるような姿勢にして突き出します。
もう一方の手の付け根で、背中を数回(5回程度)強く叩きます。
胸部突き上げ法は、片腕の上に乗っている乳児を仰向けにし、頭部が低くなるような姿勢にして、手のひらで乳児の後頭部と頚部を支えながら、頭部が低くなるような姿勢にします。
もう一方の手の中指と薬指で、胸骨圧迫を胸の厚さ1/3を数回(5回程度)圧迫します。
背部巧打法と胸部突き上げ法を交互に実施して、口の中に異物が見えたならば、異物を取り除きます。決して盲目的に取り除く行為はしないでください。
反応がない(刺激に反応しない)場合
直ちに助けを呼び、119番通報を依頼して心肺蘇生法を開始します。もし、助けを呼んでも誰もいない場合(救助者が1人の場合)は、自ら119番通報をし、心肺蘇生法を実施します。
心肺蘇生法を実施中、口の中に異物が見えたならば、異物を取り除きますが、見えなければ異物を探すことに時間を費やすことはせずに心肺蘇生法を繰り返します。
異物除去の流れ
このページに関する問い合わせ先
所属課室:消防署 消防管理課 救急救命担当
電話番号:0463-81-8020